プロフィットカジュアルのレビュー!プロフィットライトとの違いと書き味の比較【セーラー万年筆】

この記事は約7分で読めます。
スポンサーリンク

セーラー万年筆のプロフィットライトとプロフィットカジュアルを購入して使ってみたので、比較レビューです。意外にレビューの少ない万年筆だし、これは書いておかないと!

ちなみにプロフィットライトの詳細レビューはこちら

スポンサーリンク

セーラー万年筆、プロフィットカジュアルとプロフィットライトの比較レビュー

プロフィットカジュアルとプロフィットライトの違い

今回比較する、セーラー万年筆のプロフィットライトとプロフィットカジュアル。この二つの万年筆の違いは、ペン先が「金」で出来ているか「ステンレス」で出来ているか、という違い。それだけで定価に倍の差があり 13,200円 と 6,600円 。(⇒※その後、価格改定があり、19,800円と8,800円になりました。)

2種類をならべてみてもマジで違いが分かりません。キャップなんて完全に同じじゃないのかな?

上はその二種類を並べてみたところ。外観はマジで違いが分からない。

因みに、ステンレスのペン先にはもっと安価なモデルもありますが、このプロフィットカジュアルは職人が研いだペン先が採用されています。

そんなわけで、ステンレスのペンの中では高級ラインと言っていいでしょう。

プロフィットライトとプロフィットカジュアルのペン先の比較

素材が違うだけで6600円(⇒価格改定で11,000円)の価格差があるこの二本ですが、ペン先を比べると、素材だけでなく形状も異なります

ほとんど同じに見えるけど、並べてみるとペン先の形状が少し異なるのが分かる

左が安価な「プロフィットカジュアル」、右が高価な「プロフィットライト」。比べてみると、右のペン先の方が横に張り出してて、ニブの刻印が細かい。なんとなくリッチな印象なのが右のプロフィットライト。

めっちゃ細かいこと言うと、プロフィットライトの方だけペン先に「ロジウムプレート仕上げ」というのがされていて、よりペン先のシルバーの輝きが美しい。プロフィットカジュアルの方が少し温かみのある銀色。少しの違いなんですけどね。

プロフィットカジュアルの筆記感、書いたときの印象

初めての筆記の印象として、プロフィットカジュアル(中字)は、紙当たりが滑らか、インクフローも良好、少しもしならないガチガチのペン先、という印象。筆記感としては「サラサラ」もしくは「スラスラ」といった形容詞が合う。ただ、やっぱりセーラーっぽい紙との摩擦感は残っている。パイロットのCocoonやカクノのような「ツルツル滑るような」筆記感とは異なる。

5㎜方眼に書いたところ。ペン先は中字、インクはセーラーのブルーブラック。プロフィットカジュアルで書いた場合

中字だからなのか、インクが良く出るので文字は濃くなる。逆に、線のキレは曖昧になる(滲みが生じる)。また、しならないので文字の太さを一定で書きやすい。そこそこ使ってみて、どちらかというとゆっくり丁寧に書くより、勢いよく書いた方がいい感じに書けるペンという印象。

プロフィットライトと書いた感じの比較

一方、プロフィットライト(中細)は、紙のザラザラ感を感じる「サリサリ」という筆記感。ペン先が勝手に滑って行く感じはない。そして、比較的インクフローも渋めで線のキレが良い。

プロフィットライト、ペン先は中細、インクはセーラー万年筆の夜長。線の太い細いが分かりやすいのと、線のキレが良い

ペン先がわずかにしなるからか線の太い細いが表現しやすい。かなり細い線も書けて、線自体に「色気」が出るように思う。プロフィットカジュアルに比べると文字の太さのコントロールが文字に反映されやすく、表現力も高い。だから、使いこなしが難しくなる面もあるかと。ただ、自分にとってはそこがとても楽しい。

セーラー万年筆のペン先の研ぎついて

セーラーの2本を使っていると、ペン先の研ぎが同じというのも、なんとなく理解できる気がする。2本ともに共通するのは、線を書くとき、ペンの入り方をめっちゃ意識するということ。これはパイロットのKAKUNOや無印良品のペンでは感じられない面白さ。

また、新品の使い始めは、めっちゃ硬くてフローが渋めに感じられるのも同様(最初は標準のインクよりも出やすいインクに替えるのも一つの手)。それなりに使い込まないと評価が難しいペンだと思う。

万年筆は書く紙を変えると印象がかわる

ということでまとめると

  • ペン先の柔らかさ プロフィットライト中細>プロフィットカジュアル中
  • 線のキレ プロフィットライト中細>プロフィットカジュアル中
  • インクフロー プロフィットカジュアル>プロフィットライト中細

なんですが、万年筆って、書く紙を変えると印象が変わります。しかも驚いたことに、紙によっては評価が逆転して、プロフィットカジュアルのほうが柔らかみを感じる紙(ツバメノートだとプロフィットカジュアルがとても好印象になる)というのが存在する。全く不思議なんだけど、そう感じるから不思議だ。

ツバメノートに、左からプロフィットライトMF、カクノF、無印良品、プロフィットカジュアルMです。プロフィットライトのMFは他のFのように 細いですね。

多分だけど、ツバメノートは少しザラザラ感のあるノートなので、引っかかる感じのないペン(太めのペンとか、パイロットのヌルヌルした書き味のペンとか)が他のノートよりも好印象になるのだと思う。

※ちなみに、上の四本の中でペン先を一番硬く感じるのがプロフィットカジュアルです。

まとめ:どちらも共通するセーラーらしさがあるプロフィットライト&カジュアル

ということで研ぎが同じのこの2本、金とステンレスの違いで(太さも違います)、やっぱり書き味に共通する点と異なる点があります。

二本ともに共通する紙との摩擦感、これはセーラー万年筆の特徴でしょう。最初はパイロットの万年筆のほうが分かりやすい気持ち良さがあって好きだったけど、字を上手に書こうと意識するようになった結果、ペンをコントロールしやすく感じるセーラーの方が好きになった。

それぞれのペンで書いてみたところ。プロフィットカジュアルってインクの濃淡が出てそれが書いてて気持ちいい

プロフィットライトはそれに加えて、ペン先の柔らかさがあり表現の範囲が広く丁寧な筆記が合う印象。例えば漢字の「一」を書くときに、書道でかくなら、最初の点の入り方、最後の終わり方、線の太さを意識しますけど、その表現をより丁寧に出来るのがプロフィットライトで、丁寧に書くというよりもハネや払いを勢いよく書きたくなるのがプロフィットカジュアル。

両方ともにサリサリ感(紙との摩擦感)があって、勝手に滑っていくようペンではありません。そこは共通してる

で、結局どっちか一本だけ選べ、といわれたら、私はやはりプロフィットライト。ただ、あまりにも価格が上がってしまったし、価格差ほどの違いがあるかと問われると「う~ん??」という印象。万年筆ってたくさん使ったほうがそれぞれのペンの美味しいところが分かって面白くなってくるから、カジュアルの方が好きって言う人がいても全くおかしくはない。自分の場合は先にプロフットライトを購入したので馴染んでいるというのが、「好き」の理由として大きいだろう。だって、カジュアルを長く使っていると、やっぱりカジュアル楽しいなって感じますし。

プロフィットライトとカジュアル、どちらを買ってもセーラーらしさを十分に楽しめるし、悩むくらいならまずはカジュアルを買うと良いと思います。あんまり高すぎても使いにくいですしね。

プロフィットカジュアルと同じようにステンレスペン先で研ぎが入ってる四季織シリーズ。細字で良ければいろいろなカラーが合って楽しい。しかも、ひさかたシリーズなら定価6600円とお買い得。

あくまで字をヌルヌル書きたいなら、KAKUNOで良いように思う。少し高価な COCOON も同じペン先ですが、軸も含めて KAKUNO のほうが好みです(より長くて持ちやすい)。

先に購入したときのプロフィットライトのレビュー。

コメント

タイトルとURLをコピーしました