さて、以前購入した1000円の万年筆「Kakuno」でめっきり万年筆にハマってしまった。
ということで、更に万年筆が増えました。購入したのは定価で一万円超えの セーラー万年筆「プロフィットライト」です。たかだかペン一本、一万円の差はあるのでしょうか?
ところで、わざわざそんな高価なペンを購入するほど、どうしても気になった理由は、このペン先が、世界で最も書きやすいペンに7年間も選ばれていたから。
その結果、文字を書くのが更に楽しくなって、ペン字練習帳を買ってきて文字の練習をするという考えられない事態になりました。
この現象、自転車に興味なかった人が、評判のいいロードバイクを試しに買ってみたら、100km走るの楽しくなっちゃった!みたいな感じですかね。そう考えるとあり得ない現象ではないかと。
セーラー万年筆 プロフィットライトの比較レビュー
セーラー万年筆プロフィットライト購入の経緯
Kakunoで万年筆にハマって、どうしても、もっといい万年筆を試してみたくなりました。いわゆる「本物」はどれくらい違うんだろう?という好奇心ですね。(^^;
ところで、プロフィットライトのレビューの前に、試筆したプロシオンの印象を書いておきます。
プラチナ万年筆のプロシオンはとても好印象
プラチナ万年筆のプロシオン(約5000円)は試筆で「お?!!」となった一本。いい意味で。
書いてビックリ!ペン先にしなるような柔らかさがあり、サラサラ滑らかに書ける。柔らかさと同時に、コシがある感じも良い。ペンの重さもちょうどいいくらい。
驚きなのは、同時に試筆した定価で2倍する セーラー万年筆のプロフィットスタンダードよりも紙アタリが滑らか&書きやすいと感じる点。どうやら、万年筆は高ければいいというものではないようだ。あくまで自分の好みに合うかどうかが大切。また、よく言われる「金ペンのほうが柔らかい」というのもウソだ。ステンレスのペンでも設計次第で素晴らしい書き味になることを理解した。
弱点としては、サンプルの後端の塗装が剥げていたので、どうも塗装が弱いようす。これなら塗装が比較的強そうなホワイトカラーを選択するのもイイかもしれない。
万年筆のペン先の太さをどうするか? F or MF or M?
ところで、万年筆はペン先の太さも悩みどころ。試し書きの時点で、「中字」は思ったより太すぎた(プロシオンもプロフィットもライティブも)。中字は細字の2倍以上太く、各数の多い漢字を書く場合、1cm方眼くらいじゃないと文字がつぶれそうだ。
私は試筆してみて「中字」と「細」の間が好みと感じました。
セーラー万年筆なら安価なモデルから中細(MF)がある
セーラー万年筆なら安価なモデルから「中細」がある。
しかし、14金をペン先に使ったプロフィットライト(定価13200円)がamazonで7千円台になっていたのでどうしても気になって購入。(他の金ペンだと 1万円以上する)
試筆したときは、プロシオンの方が安くてしかも印象が良かったけど、これが書きやすいペンに選ばれるということは、ちょっと使い込んでみないと分からない魅力があるのかもしれない。
セーラー万年筆 プロフィットライト(中細)の書き味レビュー、ファーストインプレッション
では、セーラー万年筆のプロフィットライトのインプレッション。実は使い始めと、こなれてきた時で印象が異なる。おろしたての状態ではインクフローが渋く、かなり線が細くて困惑したし、硬く感じたので正直失敗したかと思った。
使い始めの印象というと、書き味は、カクノに比べると明らかに滑りが悪く、サリサリする。カクノの方がサラサラ&ヌルヌルして滑らかなので、カクノの方が良いという人もいると思う。また、金ペンでペン先がしなっているのかインクフローが絞られているからか、カクノより一定の太さでの線は引きづらい。
正直、最初はとてもうまく書けそうにないと感じたんだけど・・・しばらく書いているうちになんか楽しくなってきた。なんだろうか。
このペンの良さはなんていうか、漢字を書くときに気持ち良く書ける。サリサリとした紙からの抵抗があるから、ペンが滑りすぎずコントロールしやすい。書くことに集中しようという気になる。試筆でサッと書いた時はこのサリサリ感が悪印象だったのに、いざ集中して書くとなると、なんとも心地が良い。
そして、書いているうちに、どうも字を丁寧に書きたくなってくる。自分としては、このペンが書き方に「節度」を求めてくる印象がある。日本語の「止め」「跳ね」「払い」を意識するように求めてくるような感じ。書き方に敏感に反応して、線の太さが変わるからだと思う。
これは面白い。止めるところ、伸びやか書くところ、溜めたいところ、なんてコントロールをすると、それが線に反映される。
カートリッジインクを3本使い切るころには、ペン先が自分に馴染んだのか、すこぶる調子が良い。サリサリ感は少し弱まって、滑らかなタッチになってきた。紙アタリの感触は「少し柔らかい&滑り過ぎない」で、ちょうど良いし、インクフローもドバドバ過ぎず適切だと感じる。結局、試筆の時のファーストインプレッションとはうって変わって、このプロフィットライト、とっても気に入った。
セーラー万年筆、プロフィットライトの弱点というか特性
逆に弱点もある。カクノと比較するとインクフローが渋めだから筆記中にキャップをしないで考え事してるとインクがかすれることがある。(もしかしたらパイロットのインク自体が乾きづらいのかもしれない)
試筆のときのセーラー万年筆(中字)はインクがかなり多く出た印象があるが(むしろ、めっちゃドバドバ系だった。)私の個体はインクフローがそれなりに絞られている。
また、止め跳ね払いのコントロールがしやすいというのは、悪く言えば、雑に書くと線が雑になる。例えば「一」を書いたとき、しっかり最後止めないと、それが線に出る。書道みたいに、筆運びを意識した方が良い。そのせいで「丁寧に美しく書こう」という意識が生まれる。
自分は字が下手なんだけど、その理由が明確に分かるようになるペン。例えば、右への払いがこのペンではどうしてもうまく書けなくて、書道でやるみたいに一度溜めてから「払え」ば、美しく書けるようになった。つまり、この万年筆は、強制美文字装置である。
意識して書くと、いい感じの「エロい線」の出現率が明らかにKAKUNOや無印良品より高い。下の画像の一番左が、このペンで書いた文字なんだけど、払いの線が良い感じになる。また、線の書き始めの入り方が良い。
上手い人だとどんなペンでも書けるんでしょうけど、下手な私でもいい感じに書けるのは嬉しい。
まとめ:万年筆は試筆が大切だけど、試筆だけでは分からないこともある
ということで、セーラー万年筆 プロフィットライトはなんだかとても気に入りました。これが万年筆が書く人に合わせて「育つ」ってことなんでしょうかね。もっとも、他の高級万年筆と比べたわけではないですけど。
まとめると、このプロフィットライトは、線のキレが良くて、独特のサリサリ感があって、書道のように集中して丁寧に書くのに向いているペンという印象。ボールペンなんかのツルツルした感じとは違うので、はじめて書いたら誰でも最初は戸惑うんじゃないかと思う。私はこのサリサリ感にハマって、カクノより更に字を書くことが楽しくなりました。
ただ字を書くためにボールペンなら100円で買えるところ、100倍もの価格の1万円、しかし、その価値は確かにある。
万年筆にハマるきっかけのKAKUNO。1000円だけどめっちゃいいです。サラサラ速く書くにはこっちのほうが良さそう。
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