房総半島のヒミツに迫る!太古日本の陰陽道と、勝浦×大多喜の奇妙な関係

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前回、房総半島の日本神話について記事を書きました。マニアックすぎる内容と思いましたが、意外と好評なので歴史的なお話を新しく書いてみます^^

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房総半島のヒミツに迫る!太古日本の陰陽道と、勝浦×大多喜の奇妙な関係!

タイトルがめちゃくちゃ過ぎて意味不明な状態ですが(笑)まずは大多喜から書いていきます。

大多喜について、徳川四天王の一人「本多忠勝」による統治と、地名の改名

大多喜町に行くと「本」と書かれた旗が沢山たっています。最初「本屋」が沢山あるのかと思ったがそうではない、大多喜城主「本多忠勝」の旗です。

「本多忠勝」は徳川家康の重臣で、「家康に過ぎたるもの」とまで言われる武将。1590年ごろ、いすみにある万喜城に入り、そのあと小田喜城(現在の大多喜)を所領としました

「万の喜び」から「小さな田んぼの喜び」城に入り、それではいけないということで、本多の多を取って、「大きく多い喜び」の城、大多喜城へと改名したのでしょう。一方で万喜は万木と改名(^^;

このへんのくだりは以下の大多喜城の説明を読むと分かります。

大多喜城主、本多忠勝が「戦国最強 猛将ランキング」で第一位となりました! - 千葉県立中央博物館 大多喜城分館
千葉県立中央博物館 大多喜城分館の公式サイトです。「房総の城と城下町」を常設展のテーマとした歴史博物館で、房総の中世・近世の城郭とそれに関わる武器・武具や調度品・古文書及び武家社会や城下町の生活などに関する資料を展示しています。

現在の「万木城」には信号付きの素敵な激坂があります^^ しかも戦国時代の楽市楽座からスタートする朝市が現存しています。場所はこちらの記事にて↓

本多忠勝以前の万喜城は、信長が倒した斎藤道三の主君「土岐氏」が来て治めていました。北条家と手を組んで、里見家とは敵対しています。というわけで、北条家が秀吉に負けたときに土岐氏から本多の統治に変わるのです。

※今でも大多喜の夷隅神社では、0と5のつく日に朝市をやっています。もしかすると本多忠勝の進めた楽市が発祥かもしれませんね^^ 大多喜の朝市の様子はこちら↓

本多家の家紋、実は徳川家康と同じ「葵」

徳川の「三つ葉葵」

水戸黄門で「この紋所(もんどころ)が目に入らぬか!」と言いながら、必殺技のように繰り出す印籠。そこには「葵」の御紋が描かれています。それを見ると黄門様を知らない人まで、みんな平伏してしまいます!葵は徳川家のみに許される「紋」だからあれだけの効力を発揮するわけです。無理やりロードバイク的に言うと「SPECIALISSIMA(スペシャリッシマ=特別中の特別!)」なわけ。

どうでもいいけど、水戸ホーリーホックのエンブレム
江戸時代なら打ち首になる仕様です

しかしながら、本多家は「葵」の紋を使うことが許されています。これはどうしてでしょうか?

それは本多家の出自が賀茂神社の神職だったからです。賀茂神社の神紋は他でもなく「葵」。本多の紋は、神紋の「二葉葵」に近く、茎まであります。

本多の「丸に立ち葵」、よく見ると二葉葵の後ろからもう一つ葵の葉が見えています!

そして、徳川は賀茂神社の氏子。だから家康も葵の紋。本多に「茎つきの葵の紋を俺にくれよ!」って言ったけど、本多は「そんなん元々ウチの紋やし嫌やわ!殿と言えど茎はダメ!」って言ったとか言わないとか(笑)

「葵」の紋は、もともと京都の賀茂神社にあり

賀茂神社の神紋、小さく三枚目の葉が出来ているのが分かります^^

葵を神紋とする賀茂といえば、京都の一ノ宮「賀茂神社」(下鴨、上賀茂の両神社)。

ご祭神は、上賀茂神社(賀茂別雷神社)が「賀茂別雷大神」(かもわけいかづちのおおかみ=雷を別ける力を持つ神の意、下鴨神社(賀茂御祖神社)は、神武天皇の東征の案内をした八咫烏(ヤタガラス)の化身といわれる賀茂建角身命かもたけつぬみのみこと)」と娘の「玉依姫」

さて、不思議なことに、賀茂神社は勅祭である葵祭りを行っています天照大神を祭っているわけでも、天皇の先祖もいないのに、朝廷から指定されるお祭りをやるなんてなんかおかしいですよね。

葵祭の起こりは、賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)が神山に御降臨された際、“葵と桂を編んでお祭りせよ。そうすればわたし(神)に逢える、と言ったのが始まり、とされています。

斎王代の参進
葵祭、斎王代の参進 posted by (C)のりりん

で、この賀茂別雷神はホツマツタエによると瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)と同一神。大国主の国譲りの後、天照大神に指名されて降臨するのが瓊瓊杵尊。まさに神武天皇のひい爺さんにあたります。

何故か式年遷宮が行われる上賀茂神社

つまり勅祭である葵祭は、天皇の祖先「瓊瓊杵尊」の復活祭なわけです。

雷を別けたという名は、瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が、人々を困らせる雷雨の雷(火)と雨(水)を別けて、京都の愛宕神社(火の神、防火の御利益があると言われる)と貴船神社(水の神、水害を防ぎ利水を図る)にしたのが由来、そしてその時、瓊瓊杵尊が住んでいたのが上賀茂神社の場所といういわれがあります。

陰陽・男女を表す「葵桂」と瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)

瓊瓊杵尊は、息子の彦火火出見命(ヒコホホデミのミコト)とその妻、豊玉姫の仲を取り持つときに「葵の葉」と「桂の葉」を使いました。は「陽・天・」、は「陰・地・」の意味があります。ヒコホホデミが即位しても近くにいないトヨタマヒメ、それを案じた瓊瓊杵尊は姫のところに「葵桂」を身に着けていって、何か足りてなくない?と聞くと、姫は「男と女を示すハート型の葉・・・あ!私か!」と気づいたそうです。

京都、上賀茂神社の葵の葉♡ハート型してます

ということで、徳川・本多の葵の紋は瓊瓊杵尊の話が起源。共にこの神様を崇拝していたんですね~。

また、古代日本に陰陽思想があったことが分かります。

では、もう一方の桂はどこかにある??

京都に、桂離宮で有名な「桂(かつら)」という地名があります。なんと、この桂(かつら)が変化して勝浦(かつうら)になったと言われています。桂に住んでいた人が東に移動して、まず和歌山の勝浦に、そして上総の勝浦にやってきた。この話は、勝浦の瀧口神社の神主さんから教えて頂きました。

勝浦の八幡岬、勝浦は昔、海運で江戸より栄えたそうです

つまり、房総の「葵」は大多喜、「桂」は勝浦になります

そしていすみにも賀茂別雷の神社がありました。しかも地名が「鴨根」。賀茂から引っ越してきた人の集落だったのでしょうか。元々、対で2つ神社があったのですが、今は下の西宮しか残っていません。

⛩加茂神社|千葉県いすみ市 - 八百万の神
千葉県いすみ市にある⛩加茂神社の情報(催し物、地図と経路、最寄の駅、最寄のバス停)がご覧いただけます。

昔、東宮のあった場所はこちら。

今はいわれを書いた、石碑だけ残されています

まとめ:大多喜と勝浦は房総の「葵」と「桂」、瓊瓊杵尊が祭られている神社も高滝湖にあるよ!

ということで「大多喜」と「勝浦」は房総半島の「葵」と「桂」。陰陽の対。そして、逸話を知っていれば、天孫 瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が浮かび上がってきます。

ところで葵となる本多忠勝はどうして大多喜に派遣されたのか?それは江戸の人々を食わせるためには房総が必要だったから。人々を食べさせるために本多が大多喜にやって来たら、房総に瓊瓊杵命(人々が飢えないよう、米作りを日本に広めた神様)が浮かび上がる構図になるのはなかなか興味深い符合ですね。

瓊瓊杵尊は、千葉だと、高滝湖のほとりにある高瀧神社にお祭りされています。ご祭神は瓊瓊杵尊、玉依姫、別雷神で上賀茂神社から分霊を祭られたそうです。高滝湖をロードで走っていると、結構気になる場所にある、あの神社です^^

また稲毛浅間神社にも、木花咲耶姫命(コノハナサクヤヒメ=瓊瓊杵尊の妻)と、瓊瓊杵尊、猿田彦が祭られています。因みに全国各地にある、浅間神社はコノハナサクヤヒメをお祭りしています。そして、駿河一ノ宮の浅間神社の奥宮が、富士山の火口。各地の浅間神社はちょっと山が作られていることが多いのですが、これは富士山を模しているのでしょう。

因みに、流山の浅間神社では、豪快に富士山が作られています!ここに登ると、実際に富士山を登ったのと同じご利益があるとか! 江戸川サイクリングロードのすぐ近くです↓

※SPD-SLで登るのはちょっと危険です!私は登りましたけど(^^; 詳しいレポートはこちら(別のサイトです) 

今回の話に由緒ある神社を回るサイクリングコース(稲毛ー勝浦、うぐいすライン経由)

さて、稲毛から勝浦まで、今回の神社を通るサイクリングコースを書いてみました。稲毛浅間神社から高瀧神社&大多喜を通って勝浦まで、千葉の一日サイクリングコースとして、かなり楽しめると思います。途中、ハンバーガーで有名な「カフェBIGONE」を経由していますが、ここは坂がキツイです、坂が嫌いな人は、高瀧神社からBIGONEに寄らずに大多喜を目指すと良いでしょう。

おまけ:陰陽師の安倍晴明と賀茂神社について

ついでの話ですが、陰陽師の安倍晴明の師匠が実は賀茂神社の賀茂氏。今回の「葵桂=陰陽」の話の舞台でした。この神社は神話の時代から、陰陽の歴史を色濃く残しています。

上賀茂神社の社殿。2対の立砂は「陰陽・男女」を表している。またお清めの盛り塩の起源ともいわれる。そして陰陽師、安倍晴明の師匠は賀茂家の人物

前回書いた、瓊瓊杵尊の曾孫、神武天皇と房総半島、及び、中央構造線と地震×神宮の関係についてはこちら ↓

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