ロードバイクのウェアは伸縮性が良く体にフィットするものが良いですよね。そういうウェアにはポリウレタンやエラスタンという素材が使われていることが多いです。この素材は高温多湿に弱く、油断すると自然に加水分解で劣化していってしまいますので、取り扱いに注意が必要です。
サイクリングジャージの洗濯&乾燥、劣化について
サイクリングウエアは脱いだら早めの洗濯、早めの自然乾燥を心がけよう
まずそもそも、サイクリングジャージはデリケートな素材で出来ているので、ちゃんと洗濯ネットに入れて洗濯機に投入しましょう^^(もちろんジッパーはちゃんと締めましょう)
さてサイクリングジャージ(もちろんレーパンも)の伸び縮みする特性、冒頭で書きましたが、ポリウレタンが使われていることが多いです(海外製品では エラスタン(elasthanne) と表記されていることが多いです。このポリウレタン、加水分解でボロボロになってしまう代物でして、時がたつと空気中の湿気を吸って勝手に劣化してしまいます。お気に入りのジャージを劣化させないためにも、サイクリングジャージは脱いだら早く洗濯して、早く乾かしたほうが良いです(加水分解の原因になる水気を取り除く)。熱にも弱い(洗濯表示に 30度以下の水 を使うよう指示があることが多いです)ので、乾燥機の使用は控え、自然乾燥(出来るだけ陰干し)をおススメします。
少なくとも汗がついたまま保管して次のシーズンを迎えるようなことは絶対にやめましょう!
ポリウレタン製品の寿命について
寿命は早いと3年、しっかり長持ちさせて10年が限界でしょう。特にエラスタン(=ポリウレタン)は高価なウェア(santiniのイタリア製ウェアや、Q36.5、カステリのプレミオビブショーツなど)にも含まれていることが多いので要注意です!何枚も買ってタンスの肥やしにしていると劣化して着用感が劣ってしまうことになるので、ウェアの買いだめはほどほどにしましょう。
しかし、ポリエステルは別物でちゃんと丈夫な素材です。
丈夫なポリエステルと比較、ポリウレタンが劣化したらどうなるか??
参考までに、私が所持している2013年のツール・ド・フランスの新人賞ジャージ(マイヨ・ブラン)はポリエステル製なので全然丈夫。未だに劣化していません。
一方で、2014年のジロ・デ・イタリアのマリアローザはエラスタンが使われているため、その部分で劣化が始まってしまっています。
2014年のマリアローザは、2017年くらいにはなんだか劣化しちゃったなぁ・・・という感じが出てきました。具体的には、背中側に使われるエラスタンの劣化で縮む力がだんだん弱ってきました。つまり、後ろのポケットに物を入れるとダラーンと伸びてしまいがち、新品の時に比べてフィット感が劣ります。とはいえそれさえ許容すれば、5年経った今でも着れないことは無いです。
また、 2013年~2014年頃に購入したレーパン(SUGOI)は流石に劣化で捨てましたが、2015年に購入したレーパン(castelli MENO bib shorts)は劣化も見られず絶好調です。
ASSOSは長持ちすると言われていますが、やはり Q36.5 や castelli など、高価な素材を使っているメーカーは長持ちするのでしょうね。
他にあるパターンとしては、例えばリュックサックやレインウェアでよくあるケースで、表面のコーティングだけにポリウレタンが使われているもの。コーティングが劣化してボロボロ剥がれていきます。撥水性は劣るようになりますが、気にしなければそのまま使えます。
加水分解してしまうポリウレタン(エラスタン)の見分け方
ポリウレタンが使われているかどうかは、布の手触りで分かります。
手で触った時にサラサラしているものは大体大丈夫。しかしなんかネチョッとする感じのする伸縮性のある布地はポリウレタンの疑いがあります。すぐにタグを確認してポリウレタンの場合は気を使って扱いましょう。高温多湿に弱いので、汗をかいたら早く洗って早く干すこと、それから多湿な場所に保存しないことが重要です。
最近の自転車製品に使われているエラストマーもポリウレタンの一種?!
最近自転車用品によく使われ出しているエラストマー。エラストマーにはポリウレタン系(TPU)とポリエステル系(TPE)など色々な種類があります。ポリウレタン系で劣化するとなるとマズいですね。
39gの軽量チューブ tubolito は ポリウレタンチューブとされています。とはいえ、チューブが3年も持てば十分でしょう。ドグマK10-sのサスペンションは・・・流石にDOGMAレベルになると、最高の素材を使っていて大丈夫なんでしょう。
まとめ:ポリウレタンは水にぬらしたら早めに乾かす!しかしドライヤーや乾燥機は使用しないこと。保管は高温多湿を避ける。
最終的にポリウレタンの含まれたウェアの劣化は避けられないので、できるだけ劣化を遅らせることしかできません。高温な環境では加水分解が速くなると言われていますので、早めの洗濯&自然乾燥を心がけ 、高温多湿な環境は避けて保管しましょう。パーツの場合は濡れたら、拭いた方が安心ですね。
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