実はスペシャライズドもかなり昔から チューブレスタイヤをリリースしています。(S-WORKS TURBOチューブレスなど)
今回、新しいチューブレスタイヤが発売されるようなので、チェックしてみましょう。
S-WORKS TURBO RAPIDAIR 2BLISS READY( S-ワークス ターボ ラピッドエアー )とはどんなタイヤなのか?
S-WORKS TURBO RAPIDAIR 2BLISS READY のスペック
まずはGIANTのCADEXホイールのようなフックレスリム用ではなく、これまで通り通常のチューブレスホイール用です。
太さは 26C で 260g と 28C で 285g が用意されていて、価格は¥8000(税別) 。
これまでの S-works チューブレスタイヤ は¥12000位したので何とか手が届く価格になった感じです。(ちなみに海外では、35ポンド、5000円しないくらいの割とリーズナブルなタイヤです(笑))
また、スペシャライズド史上最速のタイヤということと、チューブラータイヤのような乗り心地も兼ね備えることを目標に開発したということがPRされています。。どうも schwalbe(シュワルベ) の新しいチューブレスタイヤ PRO ONE TLE と同じ方向性で開発されているようです。 (シュワルベの新タイヤは 25c、245g 28c、270gと15g軽量)
ただスペシャライズドのタイヤということで、TTで最速と言われたスペシャライズド独自のGRIPTONコンパウンドが使われていることは確実。
スぺシャライズドのS-worksのクリンチャータイヤの印象は、乗り心地の良さ、しなやかさが特徴的。一方でサイドウォールが薄く、またGRIPTONコンパウンドはグリップも転がりも優秀ですが、摩耗が大きい印象が残っています。
今回のチューブレス化で、これまでのクリンチャーよりも更に乗り心地が良く転がり抵抗が下がっているとするとかなり優秀なタイヤになっているでしょう。また今回は海外メディア (TOURmagazineやROADccなど )で耐久性と嵌めやすさも評価されているので、ネガティブな点が見当たらないタイヤである可能性が高いですね。
既にスペシャライズドのチームはチューブラータイヤを使わずにこのチューブレスタイヤを使用しており、ロードバイクの世界でも、徐々にチューブラーからチューブレスにタイヤシステムが移行しつつあります。
スペシャライズドの転がり抵抗は SCHWALBE PRO ONE や GP5000TL より優れているのか?
スペシャライズド発表の以下のデータを元に転がり抵抗を計算してみましょう。
RR (watts) = CRR * speed (m/s) * load (N) なので
15.9W=CRR*11.11(m/s)*441.5N
よって
S-WORKS TURBO RAPIDAIR 2BLISS READY は CRR=0.00324
rolling resistanceで比較できるように29km/hに置き換えると 10.8W 26c 260g(あくまで計算値)
現行のシュワルベプロワンは6.9気圧で CRR: 0.00348 11.6w 25c 257g
Hutchinson Fusion 5 Galactik TLが CRR: 0.00330 11.0W 25c 288g
※fusion5 はチューブレスレディ仕様ならもっと軽量(25c 240g)で転がり抵抗が低いはず。ですのでS-worksはfusion5のチューブレスレディぐらいの性能でしょう)
GP5000TL で CRR: 0.00267 8.9W 25c 295g
Vittoria Corsa Speed G+ 1.0 (TLR) が CRR:0.00249 8.3W 23c 225g
少なくともスペシャライズドより転がり抵抗が低いと予想される GP5000TLは25cで300gと重く(スペシャライズドは26cで260g)、またVITTORIAは耐久性が無いというデメリットがあるので、取り付けやすさと価格も含めて考えたときに、耐久性が良ければ十分に選択肢に入るタイヤになります。
まとめ: S-WORKS TURBO RAPIDAIR 2BLISS READY はチューブレスタイヤの世代をまた一つ進めるタイヤ
今回のタイヤの特徴的な技術として、これまでチューブレスタイヤは3層構造だったのですが、2層構造で実現しているということです。チューブレスタイヤに革新的な技術が使われることで、さらに良いチューブレスタイヤが出来てくるということ。9月発売ということですが、日本にはあまり入ってきていないようで、既に初回入荷分は売り切れている店舗が多い様子。スペシャライズドのサイトでも入荷待ちになっています。これは新しいシュワルベのタイヤとともに楽しみですね。
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