マビックのキシリウムエリートUSTのインプレです。前回はチューブレスタイヤの扱いについてでしたが、今回は乗り味の比較インプレです。比較対象は、私が普段から使っている、シャマルウルトラ2way-fit(C15リムMEGA G3)、boraWTO45、フルクラムRACING7になります。
MAVIC(マビック)KSYRIUM ELITE UST(キシリウムエリートUST)のインプレ、シャマルウルトラやRACING7との比較
KSYRIUM ELITE UST(キシリウムエリートUST)のリム重量について
さて、中心になるのは、キシリウムエリートUST+イクシオンプロとシャマルc15+新シュワルベプロワンの走行感の比較です。まずは外周部の重量の比較から。
タイヤに関しては、イクシオンプロUSTが260g+シーラント15mlに対し、新シュワルベプロワン245g+シーラント30mlなので重量はほぼ同等
リムはキシリウムがフロント400g、リア410gぐらい、シャマルのリアは465gぐらいあるので、タイヤと合計しても、片輪50gぐらいキシリウムエリートの方が軽量です。
トータルですと、フロントはキシリウムの方が軽量、リアはシャマルの方が軽量に仕上がっています。イソパルス組を実現するために、マビックはハブが重いのでしょう(^^;
KSYRIUM ELITE UST(キシリウムエリートUST)のインプレ(走行感)
キシリウムエリートはロングライド向けの味付けでスチールスポーク、シャマルはアルミスポークで反応性の良さと足当たりの良さを両立させたホイールと言われています。
下りの加速のスムーズさはシャマルの方が上。これはUSBベアリングの効果ですね。落ちるように加速します。但し、下りの安定感は、タイヤが太くてエアボリュームが大きいほうが有利。太いタイヤの方がコーナリングも安定するので、速く下りたいならタイヤを太くするほうがいいです。
空力はキシリウムの方が若干良いように感じます。というのも、シャマルは斜め前からの風での失速感が強め。総じて平地の巡航性能はほぼ互角。ただ、高速域での加速反応性はシャマルの方が良いです。これがアルミスポークの強みでしょう!
キシリウムエリートUSTのリムが軽い(フロント400g以下、リア410g程度)ことによる登坂性能は、キレ感が薄いので体感では遅い(BORAやシャマルに比べると、リアが付いてこない感じがする)のですが、実際は近所の激坂の記録を更新できたので優秀。
逆にこのキレ感の無さのせいで、明らかに BORA WTO やシャマルより足に来ないです。(パワーを出しても反発が少ない)
シャマルでももちろん200キロ走れますが、キシリウムエリートで走ったら疲労が少ないかどうか?は試してないので分かりません・・・しかし、明らかに踏み続け易いホイールであることは確かです。
コスパで言うとキシリウムエリートは相当に良いホイール!(海外通販でタイヤ付きで5万円位で買えます)
KSYRIUM ELITE UST(キシリウムエリートUST)の採点
他のホイールとの比較採点です。分かりにくい「快適性」という項目はやめて「振動吸収性」と「剛性感」に変更しました。「剛性感」が高いと反応が良いですが、低いほうが足に来ません。但し、レーシング7だと逆にもっさりしすぎて私はダメ。とはいえ、のんびり走るなら全然レーシング7で問題ないです。BORA WTO 45 はキレキレに感じます。外周部の軽さの影響もありますし、横剛性が高いのでそう感じているようです。
WTO45 シャマル キシエリ レー7
- 低速加速 70 65 65 55
- 高速加速 70 67.5 62.5 55
- 高速巡行 75 65 67.5 55
- 登坂性 70 65 67.5 55
- 振動吸収性 70 60 65 55
- 制動性 65 70 70 60
- ハンドリング 80 65 70 70
- 剛性感 90 70 60 50
- お気に入り度 70 65 75 65
全体的な速度としては、BORA WTO 45>シャマル=キシエリ>RACING7という感じです。
キレがあるので、レースならキシエリよりシャマルです。高速域での反応性が高いので急加速についていきやすい。そして BORA WTO 45 は無味無臭なレーシングホイール。つい40キロ以上で飛ばしたくなります。普段履きでも速いので、舗装路しか走らないなら最高!
剛性感は今のところキシエリが好きですね。平均速度が25km/h位の足にはこれくらいが良いのでしょう(笑) というかシャマルに戻したら、リムが50g重いだけなのに、ん?重い!?と感じるぐらいには貧脚です。(実際の重さというより、剛性感を「重い」と感じてしまっているようです)
KSYRIUM ELITE UST(キシリウムエリートUST)のインプレ補足
ホイール徹底インプレッションのムック本では、キシリウムエリートUSTを買うなら、キシリウムプロUSTを買った方が良いとされています。理由はキシリウムプロの剛性感の高さ。
しかし、これはフレームとの相性によるはず。私のFELT FR1 はBORA WTO 45 だとメチャクチャ速いのですが足に来やすい剛性感(異様に横剛性が高い)になります。そして、完成車をみると同じフレームの FELT FR2 にはキシリウムエリートUSTがアセンブルされています。
他にもFELT公式では、キシリウムプロカーボンUSTや、ZIPP202を履いているのを見たことがあるので、そのアセンブルの方がバランスが良いのでしょう。フレームとの相性で私のキシリウムエリートUSTの採点が高い可能性は十分にあります。(ということで、キシリウムプロにしといたほうが良かったかな??と、全く思わないくらい気に入っています)
また、bianchi sempre に乗っているときは、シャマルでももっと硬くていいかなぁと思っていたので、柔らかいフレームだと、レーシング0なんかの方が良く感じるでしょう。
YKSION PRO UST(イクシオンプロUST)の感想
イクシオンプロUSTについては、マビック指定のに低圧だとかなり良い感じ。私はチューブレスといえど固めが好きなので、6.5気圧ぐらい入れますが、その場合は新型のシュワルベプロワンの方がしなやかで良いです。まぁどちらも良いタイヤということですね。
まとめ:KSYRIUM ELITE UST(キシリウムエリートUST)は良いホイール
総じてシャマルよりキレ感は劣るのですが、足当たりが良いので剛性感を含めてどちらが良いかは好みの範疇ともいえます。
定番の ZONDA を履いている人に、私のシャマルを履かせたら、すぐにシャマルに買い替えたのを何名かみました。ただ、キシリウムエリートを履いている人にシャマルを履かせて買い替えるかは微妙かな、と。
アルミホイールの剛性感は、レーゼロ>シャマル>キシエリ>デュラC24。
※デュラはチョイノリですけど(^^;
キシリウムエリートUSTは、国内定価だと高いですが、海外価格だと相当コスパの良いホイールなので確実にお勧めできます。また、アクシウムのC19ホイールも初心者にはとても良いでしょう。
ホイールのインプレッション本。結構参考にしました。
サイスポの2019年2月号にもホイール・インプレ特集。
タイヤインプレは2020年3月号
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