ロードバイクのサドルには金属レールとカーボンレールがありますが、乗り心地や重量などがどれくらい違うものなのか気になりますよね?今回は、フィジークとアリアンテと、SELLE ITALIA のSLR FLOWについて、金属レールとカーボンレール版の両方を購入したのでそれらの違いについてです。
カーボンレールと金属レールのサドル。重さや乗りごこちの違いは?
FIZIK(フィジーク) ALIANTE(アリアンテ)とSELLE ITALIA(セライタリア) SLR FLOW のレールによる重量の違い
FIZIK(フィジーク)の場合、カーボンレールに比べると、K:iumレール版が30g重くなります。以下の画像は同じアリアンテのR3。それぞれカーボンレール版とK:iumレール版になります。
カーボンレール版の Aliante R3 BRAIDED は191g。
金属レールのノーマル Aliante R3 は221g。レールが30g違うだけなので正直に言ってこれらに大きな違いはありません。
フィジークの金属レールといえば他にもマンガネーゼ版があります。その場合はもっと重くなるでしょう。(R7はカタログ重量で245gです)
一方でSELLE ITALIA のSLR FLOWの場合。金属レール版(Ti316仕様)が184g。
カーボンレール仕様だと131g!めちゃくちゃ軽いですね。カーボンレールにすることで 53gの軽量化になります。フィジークよりも差が大きい!
SELLE ITALIAにもTM版というより安価な金属レールもありその場合は Ti316レールより重くなります。(詳しくは一応フカヤのブログに詳細があります)
ところでこのSLRサドルについてはカーボンレール版の方が乗り心地が硬いです。
カーボンレールと金属レール。レールの太さの違いと注意点
レールの太さは金属が直径7mmの円柱なのに対し、カーボンレール版は7mm×9mmの縦長のレールになります。
カーボンレールだと、サドルクランプのネジのかかりが2mm浅くなるので、ヤグラによっては要注意の事態が発生します。具体的に私はカーボンレール版ではネジの長さが足りていないという製品に当たったことがあります(長期使用時)。
カーボンレールと金属レールでの乗り心地、振動吸収性の違い
で、レールによって乗り味が違うのか?というとSELLE ITALIA のSLRだとカーボン版の方が明らかに乗り味が硬い。カーボンレール自体が硬くてしならない可能性と、それからサドルのパッドの量が少ない可能性の両方がありますね。
手元にあるサドルレールを手で握ってみると SELLE ITALIA のカーボンレールは明らかにガッチガチ。金属レールでは少ししなりがありますが、カーボンレールはビクともしません。
上がSELLE ITALIAの金属レール(Ti316仕様)。下がカーボンレール(CARBO KERAMIC RAIL)です。レールの構造も少し異なり、カーボンレールは前の方が一体成型されています。
さらによ~く見るとカーボン版はパッド量も少な目。高級品はあくまでレース仕様ということですね。乗り味が硬いのは錯覚では無かった。
ところで、フィジークのカーボンレールは前の方まで2本のレールになってきて金属版と同じ構造です。
今回、アリアンテに関しては同じR3のレール違いなので、レール以外の大きな違いは見当たらないのですが、フィジークの場合はグレードが変わると異なるサドル裏の素材の違いが面白いです。
完成車に付属した恐らくR7グレードのサドルだとサドル裏がプラスチック(ナイロン)ですが、R3はカーボンのような模様になっています。素材はスペック表を見る限り、グラスファイバーのメッシュなのかな?
アリアンテの場合は、同じR3グレード同士でも、カーボンレール版の方が気持ち乗り心地がいいような気がします。(こっちは同じバイクで試したわけじゃないので本当に気のせいかも)
まとめ:カーボンレールで期待できる軽量化は30g~50g。レールによって乗り味が異なる場合もある
ということでまとめると、金属とカーボン、サドルのレール素材の違いで 50gの重量差が発生することがあります。さらに、モデルによってはただのレール違いだけではないこともあります。
サドルはシートポストよりも端っこにあるパーツなので、より軽量化の優先順位が高いとも言えそう。実際に131gのサドルだと乗ってて確かに軽い印象があります。しかしサドルにとってはペダリングのしやすさやお尻が痛くならない性能の方が大切かと。とはいえ、4時間以内のライドならパッドの少ない軽量サドルも全く悪くないと思います。
お気に入りのアリアンテR3、あと軽くて安いTNIはカーボンレール
シートポストクランプも使い心地にかなりの差があります
高いけど、ガチで良かったトムソンのシートクランプ
コメント