写真のRAW現像用のPCを作ったので、グラフィックボードの性能を検証しようと思います。RAW現像用のパソコンはグラフィックボードが悩みどころですが、最近のものはびっくりするほど効果がありました。
※本来自転車ブログなのに自作PCについて書いたりしてますけど、まぁとにかく自転車には関係ない記事です。写真用のPCって、スペックが難しいので自分の記録も兼ねて書いておきます。
LightroomのRAW現像はどれくらいグラフィックボードで速くなるのか?所要時間の検証
GPUは、LightroomのAIノイズ除去やAI被写体選択にどれくらい効果があるのでしょうか?今回比較するのは、RYZEN9700X+RTX5060を搭載(メモリ32GB)した自作PCと、一昔前のクリエイター用ノートパソコン、マウスコンピュータのDAIV NG4300(core i7 8565U+MX250(メモリ16GB))になります。
RAW→JPG書き出しではCPU性能が大切、PASSMARKの数値を参考にしよう
書き出しはほぼCPUに依存する作業でCPUが90%ー100%くらい使用されます。

RYZEN 9700X×RTX5060で 0.7秒で完了。これなら100枚単位で書き出しても十分に速く、数枚ごとに書き出した場合は全くストレスがありません。5000万画素なら1.5秒くらい。

検証として、2台のパソコンでデータを取ると以下、
| CPU+GPU | ベンチマーク PASSMARK | 一枚当たりの現像時間 (2400万画素) |
| RYZEN7 9700X+RTX5060 | 37148(マルチ) 4652(シングル) | 0.7秒 |
| Core i7 8565U+MX250 | 5974(マルチ) 2108(シングル) | 6秒 |
RYZEN7 9700X は ベンチマーク(マルチ)で6.2倍速く、それに相当する時間の短縮が見られます。
これを見ると書き出し速度はベンチマーク(PASSMARK)のマルチの性能に比例するようす、PASSMARKの数値を参考にCPUを選択するとよさそう。CPUのベンチマークが30000くらいあればかなり快適に作業出来るでしょう。intel ならcore i7 12700やCore Ultra 5 225、RYZENなら9600Xが約30000くらいですね。

AIノイズ除去、グラフィックボードの性能と処理速度の関係
AIノイズ除去はグラボの差が最も現れる処理。下のグラフを見ればわかるように、GPUの使用率が95%程度とほぼグラボ依存の処理となります。

2400万画素の画像の結果は以下。
| GPU+CPU | ベンチマーク (3DMARK TIMESPY) | 一枚当たりの現像時間 (2400万画素) |
| RTX5060+RYZEN7 9700X | 13617 | 7.4秒 |
| MX250+Core i7 8565U | 1276 | 120~150秒 |
RTX5060で7.4秒で処理できます。また、VRAMは使いきっていないので、8GBで足りています。ちなみにMX250(VRAM 2GB)では2分以上かかっていたので劇的すぎる改善です。ついでに言えば、ノートパソコンは排熱が弱く、かなり熱を持っていたので、ベンチマーク通りの性能を発揮していなかったのではないかと思います。

また、その他のグラフィックボードごとの差は、
| GPU(グラフィックボード) | ベンチマーク (3DMARK TIMESPY) | 一枚当たりのAIノイズ除去の時間(2400万画素) |
| RTX4060 (8GB) | 10665 | 10.6秒 |
| RTX5050 (8GB) | 10253 | 10.1秒 |
| RTX5060 (8GB) | 13617 | 7.4秒 |
| RTX5060TI(16GB) | 15992 | 6.9秒 |
| RTX5070 (12GB) | 22779 | 5.2秒 |
AIノイズ除去に関しても、処理速度はGPUのベンチマークに比例します。ただし、RTX4060よりRTX5050のほうが処理が早く、ベンチマークが同等なら新しい世代のほうが早いようです。また、RTX5060 8GB と RTX5060Ti 16GB の差は少なく、2400万画素の場合はVRAMを16GBにしたからといって、劇的に速くなるということはないようです。
※この表の作成には以下のサイトを参考にしました↓

また、画素数が4500万画素になると、4500÷2400=1.875倍の時間がかかる見込み。つまりRTX4060で19秒、RTX5060で13秒、RTX5060Ti で 12秒、RTX5070 で9秒くらいでしょう。また、RTX4070Tiで8.4秒、RTX 5070 Tiで4.9秒との結果があります。 ※↓4070Tiと5070Tiはこちらを参照

6000万画素になると、かなり時間がかかってきます。RTX5060だと、おそらくRTX3070と同等(25秒)の所要時間になるはず。
| GPU(グラフィックボード) | ベンチマーク (3DMARK TIMESPY) | 一枚当たりのAIノイズ除去の時間(6000万画素) |
| GTX1060 6GB | 4210 | 159秒 |
| RTX3060 12GB | 8867 | 32秒 |
| RTX3070 8GB | 13789 | 25秒 |
| RTX4070Ti 12GB | 22779 | 17.3秒 |
| RTX4080 16GB | 28127 | 13.9秒 |
この表の作成にはこちらのスレッドを参考にしました。
6000万画素にもなると、ハイエンドのグラフィックボードが欲しくなりそう。高画素すぎるとデータが大きくて扱いが大変ですね。実際、6000万画素を使う用途はそんなにないと思いますし、カメラは4000万画素程度までに抑えたほうがPCへの投資も安く済み、作業も快適です。(実際2400万画素でもフルに使うことは稀ですし・・・)
AI被写体選択はどれくらい速くなったか?
AI系の処理ということで、AI被写体選択の場合の結果は以下。ちなみにCPUもGPUもフルに使っている形跡はなく、CPU30%くらい、GPUも20%くらい。若干CPU優位ですが、GPUも活躍します。
| CPU+GPU | ベンチマーク PASSMARK | AI被写体選択の所要時間 (2400万画素1枚当たり) |
| RYZEN7 9700X+RTX5060 | 37148(マルチ) 4652(シングル) | 約1秒 |
| Core i7 8565U+MX250 | 5974(マルチ) 2108(シングル) | 21秒 |
RTX5060で一枚当たり約1秒で完了(2400万画素)。ストレスをほとんど感じないレベルです。50枚くらい一斉にかけてもせいぜい1分以内。十分に「待てる」時間で完了します。ちなみに、CPU i8565U + GPU MX250(VRAM 2GB)では、一枚処理するのに21秒。こちらも劇的な改善になりました。

まとめ:RAW現像のグラフィックボードは、カメラの画素数とAI系処理を使うかどうか?を考慮して決めよう
CPUとGPUを最近のものに変えた結果、想像以上に効果がありました。このような数字はとっていませんが、ちょっとした補正をかけたときだって快適。例えば、トーンカーブを触った時の画面表示がほぼリアルタイムに反映されます。

以上の検証をまとめると、LightroomでAIノイズ除去をガリガリ使う人は、GPUを奮発したほうがいいでしょう。私としては、頻繁に行う処理は1秒くらいまでだと快適、5~6秒かかってくるとかなり待たされてる感があります。つまり、AIノイズ除去をストレスなくあっという間に処理するには、まだまだGPUの進化が必須ということです。一方で、そこまでAIノイズ除去を使わない人はCPU重視でよさそう。

ただし、AI被写体選択を使うなら、GPUもあるといいでしょう。カメラの画素数でいうと、2400万画素ならRTX5060(またはRTX4060)で十分と思いますし、RTX3060でも十分に役に立ちそう。4500万画素以上だとRTX5060より良いグラボを選ぶほうが幸せになれそうですね。
そんなに大量処理しない人ならRTX5050でも十分に活躍するでしょう。
CPUはcore i7 12700やCore Ultra 5 225、RYZENなら9600X以上なら十分快適じゃないかと思います。
約15万円で組んだRAW現像用の自作PCはこちら
カラーマネジメントモニタについて
キャリブレーションツールについて























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