いまバイクパッキングと言って、ロードバイクで軽量でスタイリッシュに旅に出るスタイルが、雑誌などでよく提案されています。しかし、この記事では「ロードバイク」という趣味ではなく、「自転車旅行」という楽しみ方を紹介します。
「自転車旅行」という趣味であれば、はっきり言って「ロードバイク」より安価に始められます。具体的には自転車とテントを含めて10万あれば足りるでしょう。
だって学生なんかの身であれば、10万弱の投資で、夏休み中ずーっと日本一周旅行に出られるなんて夢のようじゃないですか!?
それに、自転車旅行は、自分で行き先を決めて、自分の力だけで進んで、寝て起きて、また進むことで、「俺生きてる!」って感じがするとても楽しい旅行です。
自転車旅行&キャンプツーリングの為の自転車の選び方と所持品リスト
私は大学生の頃、26インチのMTB(11.6kgくらい)に1.25インチ幅のスリックタイヤ(700cでいう、30c-32c程度 これで林道も突破できます。)に換装して、リアキャリアをつけて北海道や九州一周などを行っていました。
大してお金がなかったので、ロードじゃなく5万円のMTBを購入し、リアキャリアをつけて、サイドバックなんかも(お金がないので)使わないで、バックパックをキャリアに搭載して、ありあわせの道具で旅に出ていました。
これが、ロードバイク+軽量テントなどをそろえると非常に高価になってしまいます。登山の趣味を兼ねてる人には良いのですが、そうではない人にとっては逆に(金額の面で)自転車旅行の敷居を高くしてしまっているように思います。
自転車旅行を安価に始める方法!
自転車を持っていないところから自転車旅行を安価に始める方法について書きます。
- 軽いギアとダボ穴付きの自転車を買う(ダボ穴がない自転車の場合は増設をするパーツも買う)
- リアキャリアを買う
- リュックに荷物をつめる(テント、着替えなど)
- リアキャリアにゴムひもなどで括り付ける
- 出発!
以上です。なんか簡単そうでしょう??
自転車旅行用の、自転車の選び方
頑丈(カーボンではなくアルミやクロモリ)で、軽いギア(ギア比1より軽いもの)がついていて、ダボ穴があるものを選びましょう。
軽いギアは荷物を積んだ状態で、山を登るのに必須です!!私はMTBで軽いギアがあったので、自転車もキャンプも一度もやったことがない状態で、北海道一周できました!(摩周湖や、大雪山の登りは結構大変でした)
ゆっくりでも漕いでいれば、時速8キロぐらいは出ます!歩くより速く、ちゃんと目的地に到達するので、軽いギアは必須と考えてください。
自転車旅行用に良い具体的な自転車
一昔前はGIANTのグレートジャーニーが定番でしたが、すでに生産終了のようです。
世界一周自転車旅行であれば、構造の単純なカンチブレーキ、入手性のよい26インチのタイヤ、フレームの頑丈なグレートジャニーのようなモデルが良いのですが、日本国内であれば普通のロードバイクでも大丈夫でしょう。というかクロスバイクで十分。ということで、今のおすすめをまとめました。
自転車旅行にお勧めの予算5万円程度のバイク
この価格帯であれば、ロードバイクではなくクロスバイクになります。基本的に大手メーカーであるGIANTのものは特にコスパが良いです。
ジャイアント ESCAPE R 3 \52,000 10.7kg ALTUS 24速
クロスバイクといえば定番の ESCAPE R3。ギア比は0.875と軽いものがついています。5万円台のバイクですが、一日80キロから100キロ程度走って、観光して、テント張って寝るみたいな用途には十分。少なくとも私が乗って北海道一周した自転車より性能は上でしょう!
ジャイアント CROSTAR ¥56,000 9.7kg acera 16速
9.7kgとこの価格では超軽量。フロントのギアは二枚なので変速段数が少なく見えますが、ギア比が0.88まであるので坂も大丈夫。R3だと人と被るのが嫌な人に。
ジャイアント ESCAPE RX 3 \65、000 10.3kg altus 18速
フロントフォークがアルミになって、フレーム素材も高級なものが使われていることで、ESCAPE R3よりさらに走りが軽くなったモデル(なんと10万円するCONTEND1よりグレードの高いアルミ素材が使われています)。
フロントのギアは2枚(2019年モデルはフロントがトリプル)で変速数が少なく見えますが、46T-30Tのクランクと11-34Tのギアがついて0.88と軽いギア比を選べます。ハンドルもエルゴノミックデザインで、申し分ないですね。ワイヤーもフレーム中通しで、非常に高級感があります^^ フレームの形状も凝ったつくりで、この2020年モデルは私も欲しくなるスペック。(もし買ったら、ホイール交換したくなりそう(笑))
ジャイアント ESCAPE R DROP \66、000 10.9kg claris 16速
エスケープRのドロップハンドル版。どうしてもドロップハンドルが欲しい人はコレ。そしてドロップハンドルなのにVブレーキ採用。Vブレーキだと良く止まるからこれはいいと思う。フロントだけかけると前転出来るかもしれません(^^; このモデルに乗ったことないけど、フレーム素材の関係で、走りはRXのほうが軽いと予想されます。 こちらも46T-30Tのクランクと11-34Tのギアがついて0.88と軽いギア比を実現しています。
トレック FX 1 Disc \55,000 12.9kg Altus 21速
ディスクブレーキ採用のクロスバイク。かなり自転車旅行を意識した設計。オプションで、泥除けやリアキャリアなどを装着して、完全に自転車旅行仕様にすることが出来ます!
DISCブレーキといっても油圧ではなく機械式なので、調整などで難しいことはありません。12.9kgとどうしてもちょっと重めなのがDISK車の宿命ですね。
因みにクイックでホイールを止めるタイプのディスク車は、ディスクがセンターに来ないという事態が発生しやすく、面倒なので、避けたほうが良いと思います。スルーアスクルタイプのディスク車なら大丈夫でしょう。
自転車旅行向け予算10万円程度のバイク(ロードバイクとしても乗れるモデル)
この価格帯になると、高価になってくるのでちょっと扱いに気を遣うかも??テント泊で自転車を雨ざらしにしたり、自転車を置いてバックパックだけ担いで登山とかには向いていないかもしれません(^^;
どちらかというと走りを楽しむ向きになります。
トレック ドマーネAL2 85,000円 10.1kg CLALIS 16速
トレック ドマーネのAL2。 ダボ穴のついたロードバイク。下の写真のようにキャリアを取り付けられます。またロードバイクの中では長距離走行が楽な設計。ただ、どうしてもベースがロードバイクなので、ギア比が1.06までなので、重い荷物で坂を上るには辛いときもあるかも。脚力次第ですが、私ならギアを軽いものに変更します。
ドマーネAL3 105,000円 9.75kg SORA 18速
コンポがSORAになり、軽量化。普段のロードバイクとして乗るにも十分な設計。しかしやはりロードバイクなので、ギア比が1.06と自転車旅行には少し重め。荷物が軽い場合は問題ないでしょう。
自転車旅行には有名どころじゃないけどJAMISのバイクも面白い
下の写真を一目見れば、ガチンコ旅行向けというのが一目でわかるJAMIS。一昔前はカーボンロードなのにダボ穴が付いてたり、速く走ることより楽しく乗るためのツールとしての自転車を開発しているメーカー。
RENEGADE A1 \99,800 10.8kg CLARIS 16速
ロード用コンポですがギア比1まであります。そしてボトルケージが最初から3つ取り付けられるようになっています。ワイヤーがフレーム上を通っているのは下からの泥はねの影響を受けない為。このあたりMTB的な設計。完璧にアドベンチャーライドに適した自転車ですね。
しかもフレームサイズが小さいときには700cではなく、650cという一回り小さいホイールになるという珍しい設計です!
ALLEGRO A2 \68,000 12.2kg acera 24速
ギア比0.875。同じJAMISでもこちらはシティライド向け。GIANTやTREKといったバイクに比べると比較的高価になりますが、特徴のあるモデルがあるので人と変わったバイクが欲しい人はJAMISも面白いです。
自転車旅行用のリアキャリア
MINOURA(ミノウラ) リアキャリア ブラック MT-800N
26インチのタイヤまで対応。700cのタイヤの場合は別売りのオプションパーツで対応可能。
私はこれで北海道一周や九州一周などもしましたが、雨にぬれたり、転んだりしても、全く問題ありませんでした。耐荷重は18kg。スチール製で頑丈ですが、1.2kgと重いので、軽量性を優先する方は下のトピークがおすすめです。
TOPEAK(トピーク) スーパー ツーリスト チューブラー ラック
こちらは中空アルミ製なので軽量な640g。手に持ってみると明らかにミノウラより超軽いのが分かります^^ 最大荷重は25kg。 使ったことが無いので耐久性はわかりませんが、これから買うことがあるなら、確実にこちらにします!
どちらを選んでも輪行の時はキャリアを外す必要があるので、ボトルケージなどと同じように3mmのアーレンキーで外せるようにネジをそろえておくと便利です。輪行時には、リアキャリアを取り外してフレームとホイールの隙間に入れればOKです。
リアキャリアに固定するゴムバンドについて
ゴムバンドは太くて強度の高いものをお勧めします。切れたりトラブルがあった時のために、予備を用意してもよいでしょう。自転車といっても下りで50キロ以上出ることもあるのでゆらゆらするような固定では危なくて走行できません。
自転車旅行のフロントへの荷物の積載の仕方
リアキャリアで積載量が足りないときは、フロントキャリヤやフロントバックを購入して装着する手があります。しかし余程の大冒険でもない限り、それだけの容量は今の日本では不要でしょう。
簡易的にやる方法としては、コンプレッションバックを購入して、寝袋と衣服を入れて、ステムとハンドルにベルトで巻き付ける方法があります。コンプレッションバックとは下記のような寝袋を圧縮できる製品です。
このうちのベルト一本をステムとハンドルに巻き付ければ(少し揺れますが)固定できます。防水のために中にビニール袋を入れておきましょう^^。コンプレッションバックは、かなり便利なのでおすすめです。
フロントバックに対するデメリットは、すぐに中の物を取り出せないことですね~(^^;
長距離の自転車旅行の為に、ハンドルについて一工夫
ロードバイクのドロップハンドルの良い点は、いろいろなハンドルの持ち方をできて疲労を分散させることが出来る点です。一方でT字のハンドルの場合はそれができません。そのためにバーエンドバーを装着して持ち方を複数できるようにしておくことをお勧めします。
自転車旅行の時のタイヤについて一応注意
もし、林道を走る可能性があるなら、サイドウォールが弱いタイヤはサイドカットのリスクがあるので、おすすめしません!少し重くてもサイドまでカバーされているタイヤを選びましょう!
自転車旅行の所持品
簡単にまとめるとこんな感じです。
- 自転車
- リアキャリア
- ヘッドランプ、リアのリフレクター
- 予備のチューブ、パンクパッチ、パンク修理キット、タイヤレバー、タイヤブート
- 3,4,5,6mmのアーレンキー(携帯工具はトピークのMINI6Lがおすすめ)
- テント
- 寝袋
- テントマット
- 着替え
- 雨具
- タオル、トイレットペーパー、洗面用品など
- ダクトテープ(補修用にダクトテープが便利)
- スマホの充電器(ソーラー式などもある
- ロープ(洗濯物を干したり、緊急時に使います)
- 自分で調理するなら、コッヘル、ガスバーナーなど
自転車旅行用のテントの選び方
別の記事で書きましたがダブルウォールテントが無難です。下にリンクを張っておきます。
自転車旅行に料理道具は必要か?
数日だけのツーリングだったり、お金があるなら、調理用具を持たずに、地元の食堂で食べたりするのも旅の良い思い出になるでしょう。 コンビニやスーパーで調達する手もあります。これなら軽量化にもなります。ただ、やはりキャンプする予定ならエスビットくらいあると朝にコーヒーを沸かしたりできるので、きっと楽しいでしょう。
お金がないなら料理道具は必ず持っていきましょう。お米の炊き方も覚えていったほうが良いです。
当時お金のなかった私は、500mlのペットボトルにお米を詰めて家を出ました(笑)
この辺は下の別記事で詳しく書いています。
ダボ穴の無いロードバイクには、より優れたリアキャリアがあったので、紹介記事↓
フラットペダルとソール固めのシューズもおすすめ
歩きやすいSPDシューズに関する記事はこちら↓私はトゥークリップ使ってましたけど(笑)
実際に自転車旅行で走ったコースです↓本当は宮崎から出発して最南端の佐多岬→鹿児島→指宿→阿蘇山→別府と回りました^^
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