WINSPACE のフレーム設計の手法について詳しく聞いてみた。M6の性能はどうやって実現したのか?

この記事は約5分で読めます。
スポンサーリンク

試乗で感じた WINSPACE M6 の持つ独特の性能。これは狙ってやったものなのかどうか、WINSPACEの社長である蔡さんと、WINSPACEJAPANの金子さんに質問してきました。まず、最初に謝っておくと、このフレームは完全にWINSPACEの開発で、マイクプライドは全く関わっていないフレームでした。

スポンサーリンク
楽天

WINSPACE(ウィンスペース)のフレーム設計について、そのやり方

このインタビューはM6の試乗後に行いました。

WINSPACE M6 の試乗インプレ
WINSPACEのM6(105Di2完成車の仕様)に、激坂の登り含めた25kmほど試乗できたのでインプレです。一言でいうと、軽めのギアで回していくのが合う、負荷をかけても足に来づらい、走行中つねに軽や…

WINSPACEのバイク開発はフィーリングを大切にしている

これまでWINSPACEに良い印象はなかったけど、M6に試乗してみて考えが変わった。めっちゃいいバイクじゃないか!これ、どうやって作ったらこうなったのか?あまりにも気になったので、質問してみました。

かなり多くの人にマッチするであろうM6

まず、社長の蔡さんから。WINSPACEではバイクのコンセプトが決まったら、各剛性(フロントやBB、リアエンドなど)を決めてバランスを変えながら何種類か設計する。次に、このバランスが味付けになるので、実際に乗って評価する。ここでのフィーリングはとても大切。とのこと。

WINSPACEの蔡社長

つまり狙って、M6のフィーリングは作られていました。

M6に至るまで、実は長い開発ストーリー

ただ、私としてはエアロロードなのにトレールが62.5mmで設計されているというのはちょっと不思議。ロードバイク基準の58mmくらいで設計しそうなものだし、それに乗り味が独特(硬さがなく軽快)なのも不思議に思っていた。

レース用エアロロードにしては長くないか??と思ったトレール

このことについて、WINSPACE JAPANの金子さんに伺うと、M6はもともと、初心者でも快適に走れるロードバイクが必要だということで開発が始まり、これまでにそのコンセプトで実現したバイク(M6の前作は C5→C5 AERO)をさらにブラッシュアップして到達したのがM6だということでした。このトレール値は、誰でも扱いやすいニュートラルさを目指した結果とのこと。

WINSPACE C5、完成車で28万8千円。初心者でも乗りやすいように、C5のジオメトリは安定性重視。チェーンステー長が長く、トレイル値が大きい(約66.5mm)。M6はこの系譜の上に誕生した。ちなみにC5はこの価格ながら、モノコックで成形されている

また、フレームの基準はMサイズで作っているそう。一方で、XSサイズでもハンドリングが破綻しておらず、非常に乗りやすいことについて伺うと、提供している日本のプロチーム(特にスパークルおおいた)で、身長の低い選手たちからのフィードバックが相当に入っていて、改善しているとこと。(今一番WINSPACEが売れているのはヨーロッパですが)決して欧米向けではない XSサイズ が乗りやすいことにも納得しました。

前作C5AERO。ちなみにモノコック製法だったC5と違い、M6は2ピースで作られている。M6の生産コストは上がっているが、2ピースだから製造上の歩留まりが良くなってロスが出ないようになっている点も、M6が低価格で実現している秘密のようだ

さらに、前作のC5エアロで選手からのフィードバックを踏まえて、レースでもっと速く走るために必要な剛性を強化&ジオメトリの調整を行った(トレイル66mm→62.5mm、スタックを小さく、チェーンステーを短く)。つまり、M6は長年のノウハウの積み重ねで仕上がったバイクということ。

C5エアロからレースに必要な性能を磨いたM6。BB周りなどに高剛性なM60カーボンが使われているという

他では使われないような軍事レベルのカーボンM60を使っている(BB周りなど)ということですが、性能を見直していった結果、M60が必要だったということなのでしょう。

M6のフロントが縦に硬いことについて、安全マージンを重視したWINSPACEのものづくり

ところで、M6のフロントが縦に硬く感じられる(リムが硬いと感じた)ことについても社長の蔡さんに質問してみました。そしたら、UNNASは特に頑丈に設計されているとのこと。

カーボンスポークのUNAAS PRO SE。完成車ではステンレススポーク版が付属するので、縦剛性は少しマイルドになるのでは。一応、前後別(前をステンレススポーク、後ろをカーボンスポークにしてみたい)で販売してないか聞いたけど、それはやってないとのこと。

理由は、自分たちの作ったバイクで事故が発生しないよう安全性を重視。具体的にはホイールで自動車を吊り下げても壊れない硬さに作られている(マジで何言ってるか分からねーと思うけど、実際にクレーンでホイールを経由して自動車を吊り下げてる試験画像を見せてもらって驚いた!)

また、この硬さを維持しながら縦に柔らかく作るのは非常に難しい、とのこと。そりゃそうでしょう!もう完全に納得です。こういう真面目なプロダクトを生産するメーカー姿勢(フロントフォークは左右エンドに体重かけて乗っても壊れないように作られているそう(ふつうそれ壊れるんじゃないの?!))なので、振動吸収は、あくまでタイヤに仕事してもらうのが良いでしょう!

こんな形状のリムまであるUNAASのラインアップ

まとめ:WINSPACE M6 はたまたま出来たのではなく、必然的に生まれたプロダクトだった

開発のストーリーを聞いて非常に納得。M6の足あたりが良く、ふわっと軽快なのは、もともと初心者で乗れるバイクが必要だという明確なビジョンがあったからだ。ここに選手からのフィードバックでエアロ性能やレースで50kmで走れる剛性を付け加えていった、だから低負荷でも走りやすく、しかも推進力があり、楽さが際立つバイクになった。私たちが中国ブランドに抱きがちなイメージ「適当に作ったらうまくいきました」ではなく、こうなったことに一つ一つの理由がある。長い試行錯誤の上、必然的に生まれたバイクがWINSPACE M6 でした。

発表時のM6、この見た目とジオメトリ見て、フーンとしか思ってなくて本当に申し訳なかった・・・

AMAZONにもあるUNAAS。これはステンレススポーク版です

そういえば、マイクプライドにインタビューしたときも選手レベルではなく一般人に乗れるバイクを設計し、足が売り切れないことを重視していると話していました。だから、設計の方向が似ている。そんなわけで、勘違いしたわけですが、M6はマイクプライドが関わっているんじゃないか?なんて、デマを流して申し訳ありませんでした(^^;

WINSPACE M6のインプレと、WINSPACEへのMikePryde(マイクプライド)の参加について
WINSPACE(ウインスペース) に、CHAPTER2(チャプター2)の創業者&設計者である Mike Pryde(マイクプライド)が参加したと発表がありました。さもこれから参加するかのような発表な…

以前、マイクプライドに行ったインタビュー

ロードバイクの設計者にインタビュー!CHAPTER2のロードバイク作りについてMike Pryde氏に話を伺ってみた
CHAPTER2のバイクデザイナーのMike Pryde氏からお話を伺うことができたので記事にしてみます。ちなみにタイトルの写真は寿司を食べるマイクプライド氏。WASABlもオッケーだそうです。CHA…

コメント

タイトルとURLをコピーしました