オールロードバイク・レボリューション(ロードバイクの書籍)のインプレと、Rene HERSE(ルネ・エルス)のタイヤ

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先日購入して読了したオールロードバイク・レボリューションについてです。

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オールロードバイク・レボリューションについて(ロードバイクの書籍)

ヤン・ハイネさんという方が書かれたオールロードバイク・レボリューション。

このオールロードバイク・レボリューションは太いタイヤにしたときの必要なパワーはどうなのか?フレームのしなりは意味があるのか?などについて考察されており、その名の通り、オールロード(もしくはグラベルバイク)に興味がある人の為の内容になっています。

オールロード、グラベルバイクならではの楽しい道

ちなみに著者のヤンさんは海外の雑誌「バイシクル・クォータリー」の編集長、また、翻訳には携帯工具のサーディンを製作した北澤さんが名前を連ねています。

ちなみにヤンさんは房総の手掘りトンネルもお気に入りな様子↓

「オールロードバイク・レボリューション」著者ヤン・ハイネさんと走った房総グラベルツーリング - 日米自転車文化を語り合ったグラベルの旅
「オールロードバイク・レボリューション」著者ヤン・ハイネさんが来日。アメリカの自転車雑誌編集長でもある氏と日本の友人たち7人で房総のグラベルを走った。日米の自転車事情について氏と語り合いながら、美しい...

上の記事でヤンさんの訪れたトンネルは三島湖のトンネルはココに載ってます↓

本の感想は、詳しく書くとネタバレになってしまうので、特に印象的だったポイントについていくつか挙げたいと思います。

オールロードにとって大切な課題、太くても速いタイヤとは?

恐らく、この本を読む人にとって「太くても速いタイヤとはどのようなタイヤか?」というポイントは面白いんじゃないかと思います。著者曰く、タイヤには「しなやかさ」が重要だとの事。

グラベルキングのスリックタイヤ、これが意外に速くてびっくりしました

また、実験に基づくオススメのタイヤ幅なども書かれており、それはきっとみなさんが思うタイヤ幅よりも太いんじゃないかと思う。少なくとも自分はこの本の冒頭でビックリしたし、もっと太いタイヤを履かせてもいいかなと思いました。

確かに、自分でも太いタイヤで走ってロードとほぼ遜色ないくらい速くてびっくりしたことがあります。

また、太いタイヤを履かせることでジオメトリの違いがより顕著になるそうです。

フレームのしなりが速さに与える影響について

著者は日本からもたくさんの知見を得たという記述があります。競輪のフレームビルダーは、ガチガチのフレームではなくある程度のしなりが必要であるということを知っていて、人に合わせてそれを製作している。「高剛性=最速」ではないということですね。それを踏まえて、本書では、このしなりが必要な人(顕著にスピードに影響が出る人)と必要ない人(スピードに影響が出ない人)に分かれるということに言及がありました

今となっては柔らかすぎる気がするBIANCHI、平地はいいんですけど、斜度がきつくなると力が吸われる感じがあります

自分の場合、柔らかすぎるフレームはダメで、ある程度硬い方が速く走れる(特に斜面)。そして、しなりが合う機材なら、より重いギアを踏める感がありました

また、硬すぎるホイールだと、疲労感が早く来る印象があるので、自分は「ある程度のしなりが必要なタイプ」に分類されるようです。

ホイールのしなりも影響ありますよね

つまり、実際にバイクを選ぶときに、登れる試乗コースがあるなら(あんまりそういう試乗会はないですけど(^^;)、いくつかのフレームを試して自分が最も登りやすいフレームを選ぶのが良いでしょうし、他人がこのバイクは登れる!といっても、自分にとって剛性感が合わないなら登れないバイクになるということも考えられます。

ハンドリングに影響を及ぼす「空気圧トレイル」について

本書ではジオメトリやハンドリングについても多く言及されているのですが、その中でも空気圧トレイルという単語はハッとするものがありました。これはタイヤの空気圧が、ジオメトリの「トレール値」のようにふるまうということです。

フロントタイヤが細い方がやはり軽快感が増します

これは経験があるかと思いますが、バイクのフロントの空気圧が低いとハンドリングがモッサリ、空気圧が高いとハンドリングがクイックになる現象。これを、本著の中では空気圧トレイルという言葉で表現されています。

太いタイヤだと、空気圧で顕著にハンドリングに差が出ることがあります

MTB系のバイクに空気圧の高いタイヤを合わせるとハンドリングが妙にフラフラすることがあります。これが全く不思議だったのですが、本書によって言語化されたことで、理解が進んだように思います。つまり、採用するタイヤの太さと空気圧によって、フロント周りのジオメトリは調整されるべきということだし、よりよいハンドリングの為にはバイクの開発時に想定された幅のタイヤを履くことが大切ということでもありますね。

ヤンハイネさんのreneherse主宰するパーツブランド Rene HERSE(ルネ・エルス)とは?

で、これだけオールロードに詳しいヤンハイネさんが主宰するパーツブランドが「Rene HERSE」(ルネエルス)

なかなかシブ~いパーツがラインアップされています

きっとそこにはヤンさんがベストと考えるタイヤがラインナップされているはずです。例えばこちら↓

700C x 44 Snoqualmie Pass TC Tire

で、これ見て驚くのは made in japanのタイヤなんですよね(チューブラーはmade in France)。ラインナップを見る限りパナレーサーのグラベルキング感があります。もしかすると、製造はパナレーサーかもしれませんが、「日本製の最高級チューブラータイヤに使われる最高品質のケーシング」を使って作られているようです。

46-30Tのクランクもラインナップにありました

ところでBicycle Rolling Resistanceによるとグラベルタイヤでに二番目に速いのは Rene Herse(ルネエルス) Snoqualmie Pass TC Extralight 44 となっています。驚くのはその重量!なんと44cで330gのグラベルタイヤです!

CX/Gravel Bike Tires Test Results | Bicycle Rolling Resistance
An overview of all CX/Gravel bike tires which have been reviewed after being tested on our rolling r...

しかも、低圧での転がり抵抗はGP5000sTR 32cとほぼ同等なのでめちゃくちゃ速いタイヤですね。同等のグラベルキングより3wも速い!

これはかなり欲しいタイヤかも・・・(^^; ちなみにグラベルキングのスリックだと、38Cで実測323.5gでした。

グラベルキングの38c。オールロードバイク・レボリューションに感化されて購入(笑) これも十分軽いと思います

まとめ:ロードバイク系の人にとっては目からウロコの内容が書かれている本

ということで、上にいくつかの印象的だったポイントを挙げましたが、これらは本書のほんの一部。購入時、本書は3500円と少し高めと思いましが、雑誌3か月分、とか、大学の参考書と考えると十分にその価値はあると感じました。内容的にはロードバイクをやってきた人にとって、かなり目からウロコの発見があるかと思います。そしてやはり、グラベルバイクやオールロードで楽に速く走りたい人向けの本です。バイクパッキングの人にも良いと思います。

バイクパッキング系にもいい本だと思います

オールロードバイクレボリューションとその他の自転車系で面白かった本、ロードバイクの科学、ロードレースの小説のサクリファイスとエデン。

昔書いたコレ、割とオールロードバイク・レボリューション的な内容でした

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