グラベルバイクのポジションについての考察です。
- グラベルバイクのポジションの目安。ロードバイクと比べると、ハンドル位置はどれくらいになるのか?
- グラベルバイクをロードバイクと同じポジションで組んでみた!
- グラベルバイクのハンドル位置は2cmほどロードバイクより上がった!
- 現在のロードバイクとグラベルバイクのポジションを比較してみる
- 各メーカーでロードバイクとグラベルバイクで同じサイズのスタックとリーチを比較してみる
- SPECIALIZED(スペシャライズド)TARMAC(ターマック)とCRUX(クラックス)&DIVERGE(ディヴァージュ)の比較
- TREK(トレック)のEMONDA(エモンダ)とDOMANE(ドマーネ)、CHECKPOINT(チェックポイント)の比較
- まとめ:グラベルバイクのポジションやサイズに迷ったら、ロードバイクに比べてハンドルを2cmほど高くしてみると良い
- おまけ:グラベルバイクでハンドルが高いと舗装路で走りにくくないか?
グラベルバイクのポジションの目安。ロードバイクと比べると、ハンドル位置はどれくらいになるのか?
グラベルバイクを購入するときに悩むのがサイズ選び。同じメーカーで同じサイズのフレームでも、ロードとグラベルではリーチ&スタックが異なります。現在のロードのポジションと比べて同じのを実現できるサイズを買えばいいのか?それともロードと同じサイズを買えばいいのでしょうか?私の経験を踏まえてグラベルバイクのポジションについて考察してみます。
※結論を先に書くと、舗装路×グラベルmix用のグラベルバイクの場合、レース用のロードバイクのポジションから、ハンドルが2cm高くなり2cmほど近くなるのが一般的な目安のようです。
グラベルバイクをロードバイクと同じポジションで組んでみた!
私のグラベルバイクは、最初ロードバイクと同じポジションで組みました。
![](https://105hillclimb.com/wp-content/uploads/2021/05/IMG_20210503_123153-01-1024x576.jpeg)
それで舗装路を普通に速く走れるし満足していたのですが、そのポジションで激しいグラベルに突入すると、なんだかイマイチ。フロントの荷重を抜いたほうが当然凸凹の影響を受けないから走りやすい。
グラベルバイクのハンドル位置は2cmほどロードバイクより上がった!
ということで、徐々にハンドルを上げていった結果、グラベルバイクの場合、ハンドル位置をロードよりも2cmほど上げて、なんとなくしっくりきました。
![](https://105hillclimb.com/wp-content/uploads/2022/04/isumiphoto-1778-edited-1024x684.jpg)
今、ハンドル位置が低くなるようにスージーステムを使っているのですが、より悪い路面を走るなら、普通のステムに変えて更にハンドル位置を上げてもいいかな?と感じています。
現在のロードバイクとグラベルバイクのポジションを比較してみる
と、ここで自分がレーシーに乗る時の為のロードバイクであるFELT FR1とポジションを比較してみます。
ロードバイク、FELT FR1のセッティング
→BBからのハンドル高さ 548mm ハンドルの遠さ541mm
- スタック512mm リーチ370mm
- ステム100mm(6度) ハンドルリーチ77mm コラムスペーサー12mm
![](https://105hillclimb.com/wp-content/uploads/2022/04/IMG_20200530_101632-01-edited-scaled.jpeg)
グラベルバイク、CHAPTER2 AOのセッティング
→BBからのハンドル高さ568mm ハンドルの遠さ527mm(※下に注釈あり)
- スタック548mm リーチ368mm
- ステム100mm(スージーステム) ハンドルリーチ60mm コラムスペーサー15mm
但し、ブレーキレバーとして小さいサイズのディズナのブレーキを使っていてここでも1cmほど近くなる。つまり、FELT FR1に比べると、ハンドル位置は20mm高く、ブラケット位置では24mm近い計算になります。
![](https://105hillclimb.com/wp-content/uploads/2021/09/isumiphoto-3547-1-1024x674.jpg)
各メーカーでロードバイクとグラベルバイクで同じサイズのスタックとリーチを比較してみる
さて、この問題、各バイクメーカーではどのように考えているのでしょうか??それを知るために、完成車のあるメーカーで適正身長が同じサイズのバイクで、リーチとスタックを比較してみましょう。折角なのでフィッティングに定評があるスペシャライズドとトレックをピックアップしてみます。
SPECIALIZED(スペシャライズド)TARMAC(ターマック)とCRUX(クラックス)&DIVERGE(ディヴァージュ)の比較
まず、スペシャライズドの完成車でリーチとスタックがどれくらい違うのか見てみましょう。スペシャライズドでは、レース用のロードバイクとしてTARMAC、ライトなグラベル用(スピード重視)としてCRUX、ヘビーなグラベルアドベンチャー用としてDIVERGEがラインナップされています。
![](https://105hillclimb.com/wp-content/uploads/2022/04/90622-01_TARMAC-SL7-SW-DI2-REDTNT-METWHTSIL-BLK_HERO.jpg)
以下49サイズで抜粋してみると以下
- TARMACの49サイズ スタック 504 リーチ 378 ステム 80mm ハンドルリーチ75mm
- CRUXの49サイズ スタック 530 リーチ 375 ステム 70mm ハンドルリーチ70mm
- DIVERGE 49サイズ スタック 571 リーチ 365 ステム 60mm ハンドルリーチ70mm
ということでまとめると(コラムスペーサーは無しとする)
BBからハンドルの高さ | BBからハンドルの遠さ | |
TARMAC | 523mm | 531mm |
CRUX | 547mm | 513mm |
DIVERGE | 585mm | 493mm |
こうしてみると、レーシングロードであるターマックに比べてグラベル用のCRUXはハンドルが24mm高く、18mm近くなる。
![](https://105hillclimb.com/wp-content/uploads/2022/04/91422-11_CRUX-PRO-VIVCRL-DSTLLC-CARB_HERO.jpg)
また、DIVERGEはターマックと比べると、なんと62mm高く38mmも近い!
![](https://105hillclimb.com/wp-content/uploads/2022/04/95422-50_DIVERGE-COMP-CARBON-GUN-WHT-CHRM_HERO.jpg)
CRUXは未舗装路でもスピードを重視し、DIVERGEはアドベンチャーを楽しむという方向性のフレーム。つまり未舗装路と舗装のMIXを速く走りたい人はCRUXに近いセッティングになるはずです。
TREK(トレック)のEMONDA(エモンダ)とDOMANE(ドマーネ)、CHECKPOINT(チェックポイント)の比較
TREK の場合、ロードバイクとしてはEMONDA(エモンダ)、グラベルと舗装路mixならDOMANE(ドマーネ)、グラベルレース用バイクはCHECKPOINT SLR(チェックポイント)となります。また、CHECKPOINTのの旧モデルはジオメトリが異なるので、それも加えて検証してみます。
![](https://105hillclimb.com/wp-content/uploads/2022/04/EOMO.jpg)
- EMONDA 52 スタック 533 リーチ 383 ステム90mm ハンドルリーチ100mm
- DOMANE 52 スタック 561 リーチ 371 ステム90mm ハンドルリーチ75mm
- CHECKPOINT SLR 52 スタック 553 リーチ 399 ステム80mm ハンドルリーチ75mm
- (旧)CHECKPOINT SL 52 スタック549 リーチ379 ステム90mm ハンドルリーチ93mm
これらを表にまとめると(コラムスペーサーは無しとする)
BBからハンドルの高さ | BBからハンドルの遠さ | |
EMONDA | 555mm | 570mm |
DOMANE | 583mm | 533mm |
CHECKPOINT | 572mm | 552mm |
旧CHECKPOINT | 571mm | 559mm |
DOMANEはEMONDAに比べて、ハンドルが28mm高く、37mm近い。
![](https://105hillclimb.com/wp-content/uploads/2022/04/DomaneSL6_22_35303_B_Primary-edited-1024x683.jpg)
また、チェックポイントはエモンダと比べてハンドルが17mm高く、18mm近い。
![](https://105hillclimb.com/wp-content/uploads/2022/04/CHEC.jpg)
意外にドマーネとエモンダで異なるのに驚きです。そして、ピュアロードとレース用グラベルで、ハンドルの高さが約2cm上がり、約2cm近くなるというのはスペシャライズドと同じ傾向でした。
トレックのプログレッシブジオメトリ―について
それにしてもチェックポイントSLRのリーチが特別長いのは注目に値します。これはプログレッシブジオメトリーと呼ばれており、直進安定性が高まるのがメリットとされています。
![](https://105hillclimb.com/wp-content/uploads/2022/04/CheckpointSL5_21_32558_B_Primary-edited-1024x683.jpg)
詳しく見ると、旧モデルで65mだったトレイルが、新モデルでは71mmと長くなって(ヘッド角に変更は無し)、ステムが1cm短い。つまり、直進安定性がより高いけど、ハンドルを切るときは反応は早いということでしょう。またチェーンステー長が425mm→435mmと長くなっています。
まとめ:グラベルバイクのポジションやサイズに迷ったら、ロードバイクに比べてハンドルを2cmほど高くしてみると良い
以上、まとめると、舗装路×グラベルmix用のグラベルバイクになると、レース用のロードバイクのポジションから、ハンドルが2cm高くなり2cmほど近くなるのが一般的といえそうです。(私の CHAPTER2 AOは、ハンドルが20mm高く24mm近い、SPECIALIZED CRUXは 24mm高く18mm近い、TREK CHECKPOINT 17mm高く18m近い)。ポジションに迷ったら、これくらいのセッティングで組めばまず間違いなさそう。
スペシャライズドのDIVAGEはちょっとジャンルが違うのかな??というほどポジションが異なるのですが、更なる悪路を冒険する用途になると、ポジションもMTBに近づき、ハンドルがグッと高く近くなるということですね。
![](https://105hillclimb.com/wp-content/uploads/2021/01/s1600_2019_Scott_Scale_RC_900_SL_Bike_1-1024x610.jpg)
一方で、DOMANEとチェックポイントの例を見ると、エンデュランス系の楽に長距離というロードバイクからだと、ポジションはあまり変わらないかもしれません。
※私のディスクブレーキのロードバイクである CHAPTER2 TOA は、長距離×悪路も走るように調整したところ、BBからのハンドル高さ561mm、遠さ530mmとなり、グラベルバイクのAOに比べてハンドルが7mmだけ低く、13mm遠いというセッティングになっています。
![](https://105hillclimb.com/wp-content/uploads/2022/04/mjo4m1-edited.jpg)
おまけ:グラベルバイクでハンドルが高いと舗装路で走りにくくないか?
ところで、グラベルバイクでハンドルを高くした時に舗装路で速く走りにくいのではないか?という心配があるかもしれません。しかしグラベルバイクにドロップが浅め(100mm程度)のハンドルを付ければ、巡航時に下ハンドルを持つのが苦にならず、あまりデメリットに感じていないです。
※私のハンドルはバンディー2です。下ハンが使いやすくなるので、オススメ。むしろロードバイクよりも下ハンの出番が多いです。
グラベルバイクの練習会に参加したことも、より走りやすいポジションに変更するきっかけになりました
![](https://105hillclimb.com/wp-content/uploads/2021/09/IMG_20210912_111517-160x90.jpg)
私の乗っているAOのインプレ
加速が良いと考えられる、チェーンステー長が短いグラベルバイクについて
グラベルバイクにもおススメできるフラットペダル、足がペダルからズレなくて良いです
ハンドルの高さを計算するときに
グラベルにもつかえるZIPP303s
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