CHAPTER2(チャプター2)のロードバイクの情報です。
あんまり耳慣れないかもしれないブランド、CHAPTER2(チャプター2)ですが、チャプター2というのは、 NeilPryde (ニールプライド)の後継ブランドになります。ニールプライドといれば、ヨット設計の空力技術を活かしてロードバイクを作り出したメーカーですね。
実は、ウインドサーフィンって空も飛ぶんですよ! ということで、空力とカーボンのノウハウに関して、一般的な自転車メーカーと異なるものを持っている会社ということです。
さて、あまり多くの情報が出回っているとは言い難いチャプター2のバイク。ちょうど試乗する機会に恵まれたので、特集したいと思います。
※各フレームのインプレへのリンクは、各バイクのスペックの下にあります!
- CHAPTER2(チャプター2)のロードバイクの紹介
- CHAPTER2(チャプター2)KAHA(カハ)グラベルレース・モデル
- CHAPTER2(チャプター2)KOKO(ココ)エアロロード
- CHAPTER2(チャプター2)オールラウンドロード TOA(トア)
- CHAPTER2(チャプター2) エアロロード RERE (レレ)
- CHAPTER2(チャプター2) ノーマルロード TERE (テレ)
- CHAPTER2(チャプター2) 軽量クライミングバイク HURU (フル)
- CHAPTER2(チャプター2) グラベルロード AO (アオ)
- まとめ:CHAPTER2のバイクは、ワイヤリングやジオメトリ、グラフィックまで含めた細部まで作り手の思想が込められているロードバイク
- CHAPTER2(チャプター2)のロードバイクをガチンコ試乗するならチャプター2ジャパンへGO!
CHAPTER2(チャプター2)のロードバイクの紹介
最近のラインナップとしては、2021年にTOA、2022年にKOKO、2023年にKAHAが発売。TERE、HURU、AOは生産終了で在庫限りのようです。また、2024年にはホイールのREHI45が発売されました。
CHAPTER2(チャプター2)KAHA(カハ)グラベルレース・モデル
2023年に発表された「KAHA」!AOからさらにスピードを追求し、エアロ化&ケーブルフル内装を実現したグラベルレース用モデル。
フル内装対応のカーボンハンドルはグラベル用の MANA-GRVL が用意されるようです。
ダウンチューブにストレージ。携帯工具などを収納出来ます。
バイクパッキングにも対応できますというPR。よくみるとフロントフォークのダボ穴が4つもある!?ダウンチューブ丈夫にも、かなりたくさんのダボ穴があるようですね。
シートポストは汎用の27.2mm。面白いのはサスペンションフォークが入ると説明がある点。それだけハードなライドに対応できるということでしょう。前作のAOと比べると、BBがBSAからT47に変更されているので恐らくBB剛性が相当UPしているはず。また最大タイヤ幅が42mm→47mmに太くなります。一方、フレームとフォークで約150gの軽量化を実現。
ジオメトリがかなり特徴的で、AOよりリーチが2cmくらい長くなり、ヘッドチューブが立ってフォークのオフセットが大きい。フロントセンターが長めなので小さなサイズでもつま先が当たりにくいんじゃないかと思います。つまり、TREKのプログレッシブジオメトリー的な感じですね。
試乗の印象を一言でいうと、並みのロードバイクなんか目じゃないくらい「速い」グラベルバイク。走りはTOAのエアロ+HURUの登坂性、タイヤ幅やダボ穴といったユーティリティ性は AO という、なんでもありのバイク。
2024年になって、やっと三色目が出ました!
専用サイトはこちら
CHAPTER2(チャプター2)KOKO(ココ)エアロロード
2022年の新モデル「KOKO」は、先代エアロロードであるRERE(レレ)をアップデートさせた最新エアロロードバイク。REREは薄い翼断面形状のダウンチューブが特徴的でしたが、KOKOはフレームにカムテール形状が採用されています。
フレーム重量はREREの1050gに対しKOKOは1099g、フォークはRERE435gに対し420g、シートポストは198gに対し135gと合計では-29g。これは、REREとほぼ同じ重さと言って差し支えないでしょう。
その上で、より高い空力性能と剛性UP、ケーブルフル内装(要MANAハンドル)を実現。エアロロードとしては至極当然の進化。
特徴的なポイントは、シートクランプで振動吸収性を持たせることが出来る点。
なんと公式サイトに「未舗装の悪路でも心地よく走破することが可能となる」と書かれてあります。エアロロードなのに悪路走行まで視野に入れたバイクというのはかなり新しいジャンルかも。
サイズもXXSがラインナップ。身長160cm以下のライダーにはXXSが推奨のようです。KOKOの試乗インプレはこちら。因みに設計者のマイク・プライド氏自身はKOKOが一番のお気に入りだそうです。
詳しくは非常に分かりやすいKOKO専用ウェブサイトが用意されています↓ TOAより力が入ってる!
KOKOのアーティストエディションも発売されていました(60台限定で既に受付終了)。スルーアスクルやボトルケージまで特別仕様です!
CHAPTER2(チャプター2)オールラウンドロード TOA(トア)
2021年に発表されたTOA。ディスクブレーキ専用でケーブル内装の専用ハンドルの用意があります。同社のTERE(テレ)をケーブルフル内装にして、剛性UP&振動吸収性UPしてバージョンアップしたバイク。つまりTOA(トア)はエアロフレーム並みにエアロ効果の高い「オールラウンダー」ですね。
TOAの各パーツの重量を見ると、フレーム重量は1105g、フォークが425g、シートポストが135g(異様に軽い!)、ハンドルが395g。フレームが重く見えるのはBBのT47用の金属のスレッドが入っているから。
フレーム&シートポストの価格は326,300円、LIMITED EDITIONでは342,200円(税別)。これならREREやTEREより圧倒的にお買い得でしょう。
新モデルとはいえ、私は300g軽いT1000カーボンのHURUの方が良いだろうと思ったのですが・・・マイケルライスさんにインプレを伺ったところ、HURUより登るし(BB周りの剛性がHURUより高いということですね)、AOの40cよりもTOAの25cの方が振動吸収性が良いとのこと(これはホイールの差もあるのかも)。そして、TEREより高いエアロ性能!ところで以前マイケルライスさんに、TTの最高記録はREREでは無く、TEREで出したと聞きました(=つまりTOA>REREのエアロ効果)って、REREよりエアロってことですね。
私も実際に乗ったところ、足当たりはマイルドなのに剛性もしっかりしていて無駄のない推進力があり、エアロ性能も高くで振動吸収性も良いという全部入りのバイク。
オールラウンドロードの名の通り、TOAに32cを履かせてグラベルも走れるし、ロングライドもヒルクライムもエアロもこの一台でOKですね。
2022年5月、限定50台の ARTIST EDITION が発表されました。スルーアスクルまでゴールドという超特別仕様です!
CHAPTER2(チャプター2) エアロロード RERE (レレ)
CHAPTER2のエアロロードのRERE(レレ)。※2024年にリムブレーキ版が存在します。
NHKのBSでやっている、CYCLE AROUND JAPAN(サイクル・アラウンド・ジャパン)の人が乗っているのがこのモデル。因みに、乗り手のマイケル・ライスさんは、アイアンマンの世界選手権にでる実力の持ち主(しかも日本代表枠^^)。予選ではほとんど1位の2位(いつも着替え時間が長すぎて2位らしいです(笑))。サイクルアラウンドジャパンって、早回ししているかのような映像ですが、お話を伺うと、普段のケイデンスが110あるということ(^^;
番組では、ディスク版に乗っていますが、BORAのDISCだと、どうも固くて左右バランスが悪く、167ホイールのDISCだとバランスが取れて良いということです。
エアロロードとしての大きな特徴としては、開発者自身が身長168cmということで、XSサイズでもカッコよく快適に乗れるように開発しているため、日本人向けのジオメトリになっています。
使われているカーボン素材はT800とT700、および3Kカーボン。タイヤは28mmまでの対応
サイズ毎にリーチとスタックはしっかり設計されており、サーヴェロのような設計思想。
XS S M L XL
スタック 499 524 550 575 600
リーチ 362 369 380 388 398
XSだとかなり小さめのサイズですね。またXSとSは、それ以外のサイズとフォークのオフセットが変更されています。
つまり二種類のフォークがちゃんと用意されているということ。これハンドリングの悪くなりやすい小さめのフレームにとっては、とても重要なことです。 (製作者のマイケルプライドさんはXSに乗っているということです^^)
またエアロバイクですが、ハンドル&ステム内に ワイヤー内蔵ではないのは好印象。設計思想として、僅かな空力の改善よりも、取り扱いのし易さを重視しているということです。
またシフトワイヤーや、ブレーキワイヤーの取り込み位置がヘッドチューブの後ろにあるという点も良いポイント。ヘッドチューブ前面にあると、どうしてもアウターワイヤーがすぐに傷んでしまいますので(^^;
↓ 試乗したインプレはこちら!走るのが楽しくなるバイクでした^^
CHAPTER2(チャプター2) ノーマルロード TERE (テレ)
チャプター2のノーマルロード。素材はエアロロードのRERE(レレ)と同じ。
チャプター2の第一作目となるのがTERE(テレ)。このTEREも随所にカムテール形状などを使用しているので、空力が悪いバイクではないですが 、重量が特別軽いわけでもないので、より空力の良いエアロのREREの方が少し高価ですが、高性能でお買い得では?と思います。
XS S M L XL
スタック 505 530 555 580 605
リーチ 360 369 378 387 396
スタックがエアロロードより少し高めですね。各所のインプレを見ても第二作目であるREREの評価が高い(エアロだけど、乗り味がこのTEREと同じになるように作られている)ので、やはりこれから買うならREREの方が良いのではないかと思います。
※追記:実際はREREよりも TERE の方が低速での反応が良く、エアロ性能も大きく悪いわけで無いようです。マイケルライスさんは、TTの最高記録はREREではなくTEREで出したということ。つまり、空力も体調の差で埋められるくらいの差(40kmで100g~170g位の抗力の差です)。そう考えると、この価格は超お買い得価格と思います。
↓ エアロダイナミクスの比較表です。最新のエモンダで900g~1000gの抗力、旧エモンダで1100g~1300gの抗力が発生することを考えると(エモンダの数値はもしかすると、ハンドル&シートポスト含めた数値かもしれませんが・・・)、575g-625gのTEREのエアロ効果は素晴らしいです!
↓ REREよりヒルクライムはやはり得意。風抜けの良さも感じるオールラウンダー
CHAPTER2(チャプター2) 軽量クライミングバイク HURU (フル)
軽量クライミングバイクである HURU(フル)。こちらはなんと1000Tカーボンが使用されています。
登りで効率が良くなるようにジオメトリが変更されています。また、必要な部分にT1000カーボンを使用したというHURU(フル)。登りがあれば下りももちろん存在するので、下りの安定性も重視。
XS S M L XL
スタック 495 520 545 570 595
リーチ 360 369 378 387 396
よりアグレッシブなポジションが取れるように、スタックは低め。このあたりレース用の設計ということですね。
※追記:ほんのチョイ乗りの印象ですが、ヒルクライムの得意な(低速からクルクル回ってTEREよりパリッとしている)、すごく良いオールラウンドバイクのような感じです(^^; ちょっと不思議なフワッとする感じがありました。
その後、試乗したのでインプレはこちら↓
CHAPTER2(チャプター2) グラベルロード AO (アオ)
ハッキリ言って一般の注目度は低いかもしれないけど、自分的に一番興奮するフレームがこのAO(アオ)!
普通のグラベルバイクのように見えて実はそうではないのです。
ビックリポイントをまとめると、
- チェーンステー長が±7.5mm調整できる
- ダボ穴が沢山ついている(ノーマル状態でボトルを5個つけることが出来る
- タイヤ太さ42mmmまで対応(ホイール径700C)※ 650B なら2インチも取り付け可能
- MTB用の ドロッパーポスト を取り付け可能(シートポスト径31.6mm)
- なのにフレーム重量1040g (エアロロードのREREよりむしろ10g軽量!)
つまり、普通のバイクのようにも走れるし、その気になればグラベルも走れる、バイクパッキングもできるという、一台で何でもござれのマルチロードバイク。
フレームにダボ穴まであります。
ダボ穴が多いため、ボトルを5個搭載可能 →フレーム内に2個、ダウンチューブ下に1個、フロントフォークの左右に1個づつ、トップチューブに1個、あれ?6個も付く(^^;)まあトップチューブにつけると水平になるのでカウントしないで5個ですね。
ちなみにドロッパーシートポストというのは、 グラベルなんかで坂を下るときにサドルの高さ下げることが出来て安定して下り易く、登る時は通常のサドル高にワンプッシュで戻せるというもの。(衝撃吸収用のシートポストではないです。)
仕様としてはDISC仕様のみでフレーム1040g フォーク 389g 合計1429g
この仕様で、軽量バイクであるHURUのDISCブレーキ仕様より221g重いだけです(^^;
因みにR9120のグループセットが 2076g、R8020が 2314 g、R7020が2478gですので、グラベルロードのAOでもR9120で組めば、R8020の軽量バイクHURUより軽く仕上がります。もし、軽量クライミングバイクを購入するなら、是非コンポもデュラを選びましょう!
ジオメトリを見ると、やはりノーマルロードより、ヘッドチューブ角が寝ています。チェーンステー長も長めですが、反応重視にしたいときは、-7.5mmで412.5㎜まで短くすることが出来ます。
そしてリーチは短くスタックは高いのでやはり、前傾姿勢というよりも、安定感重視のジオメトリ。ビアンキで言うとC2C、エンデュランス系ロードよりのジオメトリです。
まさにロードのように速く走れて、バイクパッキングも出来て、グラベルやMTBの様にも走れるバイク。
本当にこういうバイクがもっと増えるといいと思っています。というのは、自転車には興味があるけど、ガチンコのロードのように、ピチピチのウェアじゃなくて、荷物も積みたいし、でも軽くてかっこいいバイクが欲しい!という潜在層がかなりいるんですよね。
↓ TEREに似た乗り味でオドロキました!グラベルバイクなのに超オールラウンダーでした!30キロ以上のエアロ性能では流石に劣りますが、それ以下では十分すぎるほど速い!
↓ちなみにBB裏からチェーンステーにかけて、超アシンメトリーな造形になっています!これは、太いタイヤに対応させながらチェーンステー長を短くする為(反応性の向上)と、左右の剛性バランスを取る為でしょう。
まとめ:CHAPTER2のバイクは、ワイヤリングやジオメトリ、グラフィックまで含めた細部まで作り手の思想が込められているロードバイク
2023年時点でやっぱりKAHAは試乗で特別に凄いと感じるバイクでした。なんでグラベルバイクなのにこんなに軽快で速いの??みたいな。
それから、半年ごとにカラーリングが違うものが発売されるというのも面白い。しかもグラフィックが透かしが入っていたり細部まで見ると相当カッコいいです。個人的には大好きだったビアンキの2011-2013年モデルあたりのカラーリングをさらに現代的に洗練した感じで好きです。
CHAPTER2 を設計している Mike Pryde氏に、直接お話を伺うことが出来たので、バイクをどう設計しているか?目標とするライドフィーリングは?などはこちらへ↓
CHAPTER2(チャプター2)のロードバイクをガチンコ試乗するならチャプター2ジャパンへGO!
小田原にあるチャプター2ジャパンなら、チャプター2バイクに乗ってガチンコのヒルクライムを試すことができます!メインは、CHAPTER2のバイクを使ったガイドツーリングで、フレーム性能を確かめるにはバッチリです!
現在はカフェが併設され、 CYCLING GYPSY CAFE with CHAPTER2bikes になりました。引き続きチャプター2の試乗も出来ます!そして、チャプター2だけでなく、他のバイクの人も楽しめるサイクリングの拠点になっています。
フレームの新カラー情報!
結局AOを購入しました、実車の実測重量と、CHAPTER2の購入方法のまとめ記事です
CHAPTER2(チャプター2)の取り扱い店について
はっきり言って実店舗ではどこで買えるのか、全く分からないCHAPTER2のバイク。WEBサイトでフレームセットを購入しても自分で組み上げるのは大変ですよね。実は全国各地に取扱店があるようです。
とはいえ、取り寄せの注文は出来ても実物のフレームは中々おいてなかったりします。都内だとU2BIKESさんに置いてあるのを確認しています。他には小田原のサイクリングジプシーカフェや、試乗会でも見ることが出来ます。
関西だと K&M CYCLE さんにある様子
名古屋だとKATO CYCLEでフレームを見た!と聞きました。スタッフの方がTOAに乗っているようです。
九州なら正屋に在庫がある様子。
上記インプレの基準となっている、私がいつも乗っている FELT FR1 のインプレ、弱虫ペダルサイクリングチームが使用しています ↓
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