TRP SPYREのインプレ2 TRP SPYRE×グロータックEQUALブレーキケーブルで使ってみる!&ディスクローターのSM-RT70 と RT-MT800 を比較

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TRP SPYREをグロータックのEQUALブレーキに付属しているケーブルで引いてみたのでインプレです。

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TRP SPYRE×グロータックEQUALブレーキケーブル!制動力が改善するブレーキケーブル!

以前、TRPのSPYREを「普通のブレーキアウター&普通のワイヤー」で使っていた時には、握り込んだ最後の方でブレーキのタッチがグニョっとした感触で曖昧になる部分があり、急な下り坂のコントロール性に不安がありました。

ということで今回、TRP SPYREを剛性の高いグロータックのブレーキケーブルと組み合わせてみました。

グロータックEQUALブレーキケーブルとは

ワイヤー式ディスクブレーキで評判の良いグロータックのEQUALブレーキには、伝達性能の良い高剛性アウターケーブルが付属します

GROWTAC EQUAL用のケーブルは、普通のブレーキアウターでは無く、縦線と巻き線が組み合わされ、非常に剛性の高いアウターケーシングになっています

ケーブルの縮みを減らす構造をしているため、制動力アップ&タッチがクリアになるといううたい文句。インナーワイヤーにはニッセンのブレーキケーブルが採用されています。

とうことで、とても気になっていたのが TRP SPYRE を剛性の高いグロータックのブレーキーブルで引けばどれくらい改善されるのか?ということです。

TRP SPYREをグロータックEQUALブレーキケーブルと組み合わせてみる!

組み合わせてみたところ、フロントはそもそもケーブルが短いためか、劇的な改善とは感じませんでした。

ワイヤーを留める位置、内側と外側の両方を試して、フロントはボルトの内側を通して留めました

しかし、リアは明らかにカッチリ感が出て、握り込んだ最後の方で曖昧になる感覚が改善されているのが分かります。もしSPYREの制動力に「少し」不満があるようなら、リアだけでもブレーキワイヤーの交換の時に試しても良いレベルだと思います。これで満足すれば、ブレーキキャリパーを買い替えなくても済むかもしれないからです。

あ!しかもリアのローターはナローパッド用のRT MT800でした(これはテストでわざとです)

そうそう以前 TRP SPYRE を使っていた時は160mmディスクローターでしたが、今回は140mmのディスクローターなので最大の制動力自体は劣ります。しかし、細いロードタイヤなら SPYRE でも140mmで制動力は十分だし、このケーブル交換でコントロール性がアップ

ブレーキレバーを引いた時にアウターケーブルが動くようだと、折角の性能をスポイルしてしまうので、動かないようにしっかりテープで固定するのがオススメです。

テープでグルグル巻きにしたAOのハンドル。ちょっと動くだけでもフィーリングに違和感が出ます

改善した TRP SPYRE と グロータックのEQUALブレーキではどれくらい違うのか?

じゃあ、それでTRPのSPYREとグロータックのEQUALブレーキを比べるとどうなの??っていうと、そりゃぁ馴染みの出たEQUALブレーキの方が圧倒的に強力に効きます。ブラケットポジションから20%の激坂下れますから。(SPYREと併用するなら、むしろ制動力を落としたいくらい(^^;)

やっぱり只者じゃないEQUALブレーキ、ホントにこれ以上の制動力は要らないと思う・・・

TRP SPYRE は、ケーブルで改良しても下りはちゃんと下ハンドルを持つ必要があります。だから油圧ディスクやグロータックのブレーキと比べて使うと「全然効かない!」という印象になるし、リムブレーキと思えば十分な効き少なくとも房総半島の短い下りや、たかだか40km/h位で走る限り大きな問題を感じません。(リムブレーキの9000系デュラエースみたいな感じ、いやもっと効くかな)

ブレーキの評価はライダーの体重や斜度、併用する他のブレーキにもよる

もちろん制動力が十分かどうかは、体重や下る斜度&距離によるでしょう。TRP SPYREの場合、体重60kgの私でも10%よりキツイ下りは下ハンで握ることが必要。そしてワイヤーで改善しても15%の下り坂が連続するような長いコースでは使いたいとは思いません(具体的には椿ラインは大丈夫だけど、十国峠から熱海への下りはキビシイ)。※こんなにキツイ下りもあんまりないと思いますけど・・・(^^;

箱根の十国峠から熱海方面への下り&MOA美術館への下りは、もっと制動力があるほうが速く下れるでしょう

リアをロックして滑らせることは出来るけど、握り込んだ最後にグニョっとしてなんだか頼りなく感じるのがイヤ。リニアにブレーキが効かないからかロックするポイントが分かりづらく、急制動が難しい。これはもう SPYRE本体の剛性の限界でしょう。ところで、ここを感じるかどうかは他に併用するブレーキが何かにもよるはず。例えば、よく整備された油圧ディスクやEQUALブレーキ、リムでもデュラエースR9100のブレーキだときっと気になるはず。

ということで、私自身は厳しい下りコースでは最後にも剛性感のあるEQUALブレーキの方を選びたいです。そして、体重がもっと重い人なら15%よりも緩い下り坂のコースで、TRP SPYREは「効かない」という評価になるでしょう。

折角ケーブル交換をしたけど同条件でEQUALを併用しているとSPYREは分が悪い・・・(^^;

ブレーキの効きはブレーキレバーにもよる!

実は今回の TRP SPYRE って、CHAPTER2 TOAに組みなおしているのですが、レバーはデュラエースのSTI(ST R9100) を使っています

以前インプレした時は、CHATER2 AO に組み付けてレバーにディズナのブレーキレバーを使用していました

で、ディズナのレバーの方が明らかにブレーキを引くのが軽くて引きやすく制動力も得られやすい気がします。レバーが手にフィットするかどうかも、ブレーキの引きへの影響がかなり大きいことを実感しました。

TRPの付属パッドからシマノのレジンパッド(B01S、B03S)に交換

さて、上記の箱根の下りを走った後、リアパッドをTRP純正からシマノのレジンパッド(ワイドパッド用のB01S、B03Sです)に交換。TRP純正は、握り込んだ時にパッドへの食いつき感が無いのも不満でした(コントロール性がイマイチと感じる要因の一つ)。しばらく使った感じだと、劇的な変化ではありませんが、少々食いつき感は良くなったかなという印象。

もし更に制動力を上げたければ、パッドをメタルにしたり、べスラのダウンヒル用などに変えたり、リアを160mmローターに変える方法がありますね。

ワイドパッド対応のTRP SPYREでナロー対応ローター、SM-RT70 と RT-MT800 を使った場合を比較

そうそう、TRP SPYREはシマノのワイドパッド互換。もし、そこにナローパッド用のローターを入れるとこんな感じになります。

ナローパッド用だがワイドに近い SM-RT70の場合↓

まぁまぁ悪くないかな

ローター表面の感じでパッドの当たっているところがわかると思います。

ナローパッド用の RT-MT800の場合↓

SM-RT70よりも内側にパッドがはみ出してる感じ

やはり少しパッドがローターよりはみ出てますね。私は別に気にしませんが(笑)

この2つ、リアのみ比較したのですが、MT-RT800とSM-RT70ではSM-RT70の方が効きが良いと感じたのも事実です。→ということで少しの軽量化より制動力をとってSM-RT70を使います。

やっぱり SM-RT70に交換 こっちの方がいい感じです

一応、その後好奇心でRT-MT800の140mmをフロントに付けてそこそこ走ってみましたが、利きも悪いしタッチも良く無いのでこれは論外でした。

フロントに140mmのRT-MT800。ワイドパッドのTRP SPYREにナローパッド用のRT-MT800は使えないことはありませんが、利きが今一つな印象。そしてフロント140mmはブレーキとして全く不満です。

グロータックのケーブルの、専用の受けパーツが無かったのでアウター受けに挿すときに工夫

話をグロータックのケーブルに戻します。グロータックのアウターは通常のケーブルより太く、通常は専用のアウター受けを使用します。しかし、もし専用のアウター受けが無くても、アウター受けに挿しこむ部分だけ巻き線をはがせば差し込むことが出来るようになります

巻き線だけ剥がしてみると縦線が出てきます

今回はEQUALブレーキで余っていたアウターなので、専用アウター受けが無くこの方法で組みつけました。※専用アウター受けを使えばもう少しカッチリするはず。

平地中心~10%以内のアップダウンなら十分納得の性能です

まとめ:グロータックのEQUALブレーキケーブルはやはりよいケーブル!TRP SPYREが効くかどうかは斜度がきついとやはり厳しい面も・・・

ということで、グロータックのEQUALブレーキケーブルは、特にリアでその効果を感じられるケーブルでした。EQUALブレーキユーザーだけでなく、TRP SPYREや他の機械式ディスクブレーキユーザーで不満がある人は使ってみるのも良いかもしれません。もちろんリムブレーキのケーブルとしても使えます!

グロータック ブレーキワイヤーのセット

ただ、TRPのSPYREはどうしても厳しい下りで、グロータックと比べると弱点を感じます。対策としては上で述べたようにリアを160mmにしたり、パッドを買い換える方法もありますが、相応の費用も掛かります。ですので、体重が重かったり、激坂を下ったり、ブラケットからの制動力に不満を感じているならに、ケーブル交換ではなく素直にブレーキキャリパーごとEQUALに交換するのが吉でしょう

グロータックはケーブルだけでも買えるので、ケーブル交換の時に検討しても良いでしょう。またSPYRE自体も、単品で使う分には特に問題を感じないと思います。

まだグロータックの機械式ディスクブレーキを知らない時の TRP SPYRE のインプレ↓ 

単品だと十分な効きと感じていました。

その後、どうしても気になって購入したグロータックのブレーキのインプレ

グロータックがあまりに効くので、リアを160mm→140mmに変更しました

今回のような特殊なケーブルについて

機械式ディスクブレーキのまとめ

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