油圧ディスクになって各方面から指摘されるSTIレバー重すぎ問題。この問題は、リムブレーキのシフターより明らかに重くなった油圧ディスクのシフターの影響で、バイクの動きがモッサリになるというもの。これを避けるために、機械式ディスクブレーキを選択し、リムブレーキ用のシフトレバーを使うというカスタムが選択されることがあります。

しかし、考えてみれば最もハンドル回りが軽量だったのは旧来のダブルレバーではないでしょうか。だって、シフターがダウンチューブについてるから。
油圧STI モッサリ問題。最もハンドルを軽量に出来るシステムは、ダブルレバーかSRAM WIRELESS BLIPSなのではないか
上記のように、ハンドル回りの重さが、ハンドリングに大きく影響することが油圧ディスク化によって広く認識されるようになりました。ということで、一歩踏み込んでハンドル回りを最も軽量にできるシステムについて考えてみたいと思います。
変速システム毎のレバー重量を比較
これには、変速レバーをどうするか?という問題とブレーキタイプをどうするか?という2つの問題があります。そのうち、最もハンドル回りが軽量だったであろう変速システムが「ダブルレバー」でしょう。
ダブルレバーっていうのはこれ、このレバーを動かして変速する昔ながらのシステムです。

ダブルレバー自体は60g程度。取り付け位置だってダウンチューブなのでハンドリングに影響を及ぼすことはありません。ハンドルにつくのはただのブレーキレバー。これに比べれば、手元でシフトが出来るように進化した シマノのSTIは、リムブレーキ仕様であっても重すぎるといっていいくらい。参考までに重量をあげてみると、

- リムブレーキのブレーキレバーのみ 210g
- 105STI(リム) 490g
- 105STI(油圧) 610g
このように、ダブルレバー×ブレーキレバーの時から比べれば、ハンドル回りはとんでもない重量化をしていることになります。

しかも油圧ブレーキ化した場合、リムブレーキのレバーと比べると、490g→610gなので、更に120gの重量化。
この ①油圧STI重すぎ問題と、②フル内装ケーブルめんどくさすぎ問題、の2点を解決するために、電動レバーが必要になってきたと言っても過言ではありません。
で、その電動レバーの重さを見てみると

- 電動レバー105(油圧) 423g
- 電動レバーデュラエース(油圧) 360g ST-R9270
- 電動レバーULTEGRA(リム) 295g
- 電動レバーデュラエース(リム) 230g ST-R9150
流石に電動デュラエースのレバー(リム)は軽量。油圧105だとそこそこの重さがあります。
リムブレーキのブレーキレバーを使ったフロント周り軽量化の方法
ということで、本気でハンドル回りを軽量化したいなら、やはりリムブレーキ用レバーを採用するといいことになります。
電動デュラエースが軽量で優れていますが、流石に高価。安価にやるなら、リムブレーキのブレーキレバーのみ×機械式ディスクブレーキ×アナログシフターで実現する方法があります。

冒頭でダブルレバーだとハンドル回りが軽量化できると書きましたが、現行のロードバイクでも、例えば上の写真のようにレバーコラムマウントでコラム部にレバーを追加することも出来ますね。この場合、ハンドル末端にレバーの重さが来ないので、ハンドル操作は軽くなる。但し、手元変速が出来ないのがデメリットとなります。
※レバーコラムマウントのインプレについてはここが詳しいです↓

手元での変速をするために、下のように ブレーキレバー×ウイングシフター を使う方法もあります。この場合、レバーの重さが少しハンドル末端に増加しますが、それでも走行感は非常に軽快です。
※他のアナログシフターとしては、バーエンドシフターやギブネールを使う方法も考えられる。

これらの方法は、ゆるく楽しむグラベルバイクやアドベンチャーバイクにはとても良い解決策と思います。しかし、どうしても変速ワイヤ―が必要になるので、フル内装フレームでは組みづらかったり、折角のエアロ化してきたフレームにそぐわないというのが問題。速く走る為のガチガチのロードバイクにはどうもマッチングがいまひとつ。
変速ボタンにWIRELESSBLIPSを活用すると、無線電動変速かつ、非常に軽量なハンドル回りを実現できる
ここで、無線変速システムを使えば、ケーブル問題を解決できます。軽量化の有力候補が SRAM WIREESS BLIPS。

これならただの変速ボタンなので、好きなブレーキレバーと組み合わせることができます。重量は1ペアで13.8g、マウント込みでも1ペア15.8g。

つまり、ブレーキレバー+WILRESBLIPPSで約225g程度。とても軽量な、マジでダブルレバー並みのハンドル回りが実現。電動デュラエースと遜色ない軽量さ。しかも意外と安い。
※このアップデートを受けて実現するようになりました↓
シフターのサイズや形状が手に合わない問題解決も解決できる
この方式の優れた点は、好きなレバーと合わせることが可能なので、シフターのサイズや形状が手に合わないって問題も同時に解決すること。

これって手の小さい人にとっては大問題だったんですよね。私は手が小さくて シマノの5700系のブラケットに指を回しきることができまでんでした。つまり、ブレーキをしっかり掛けられない。ブレーキだけデュラエースに代えても、ブレーキの効きが悪くてヒヤリとしたことがあります。
※これを解決してくれるのがディズナのブレーキレバーでした↓ このようにブレーキレバーの握りやすさってとても重要。
まとめ:油圧STIモッサリ問題。モッサリが気になるならリムブレーキのSTIに交換するのが良いが、その中にも色々と選択肢がある
まとめると、油圧ディスクのハンドル回りを本気で軽量化したい場合、軽い順番としてはざっくり以下
重量 | 価格 | 変速性能 | |
ダブルレバー+ブレーキレバー | ☆☆☆☆☆210g | ☆☆☆☆☆ 10000円 | ☆ |
SRAM WIRELSS BLIPS+ブレーキレバー | ☆☆☆☆☆225g | ☆☆☆☆ 22000円 | ☆☆☆☆ |
リムの電動デュラエース | ☆☆☆☆☆230g | ☆☆ 85000円 | ☆☆☆☆☆ |
アナログシフター(ウイングシフターの場合) | ☆☆☆☆ 295g | ☆☆☆☆★ 13000円 | ☆★ |
油圧の電動デュラエース | ☆☆☆ 360g | ☆ 100000円 | ☆☆☆☆☆ |
リムの機械式デュラエース | ☆☆☆ 365g | ☆☆★ 70000円 | ☆☆☆ |
リムの機械式105 | ☆☆ 490g | ☆☆☆☆ 25000円 | ☆☆ |
油圧の機械式デュラエース | ☆★538g | ☆☆ 83000円 | ☆☆☆ |
油圧の機械式105 | ☆ 610g | ☆☆☆ 50000円 | ☆☆ |
ハンドル回りの軽さとコストだけを考えれば、ダブルレバーが最強。お金に糸目をつけないなら電動デュラエース。その間ならSRAMの無線変速。

アナログなウイングシフターも安価で軽量に組めますが、今なら WheelTop EDS の「EDS OX」で無線で組むことも出来ます。特にフロントシングルで組むなら良さそう。ディレーラー付きで81400円。

変速自体はどのシステムでも普通に行えるので、レバーやボタンの押し心地&変速フィーリングとか、ケーブルの有無なども検討事項ですね。
結論:多分フラットバーロードの方がハンドル回りを軽量化できます
で、ここまで書いておいて思うのは、ドロップハンドルにこだわらなければもっとハンドル回りを軽量化できるということ。なぜならドロップハンドルってハンドル形状のせいでブレーキレバー&ハンドルともにフラットバーより重くなる。
ということで、結論としては、ドロップハンドルを捨てて、カーボンバー(100g程度)でフラットバーロード化、70g以下のブレーキレバーとWIRELESSBLIPS(15.8g)を使うと、劇的にハンドル回りを軽量化できると思います。
100g位のフラットバー↓
こっちは140g程度らしい↓
ペアで60gらしいブレーキレバー↓(多分片方で60gでは??)
シマノの定番品↓
15.8gの変速ボタン↓
油圧ディスク派だけど、ハンドルが重いのはイヤ、という人は SRAM eTAP BLIPS+ブレーキレバー+JUINTECH(ケーブル引き油圧ディスク)みたいみたいな組み方も良し
そんなにお金をかけずにハンドル回りの軽量化を図るにはこちら
安価な SENSAHのレバーは 410gと価格のわりにかなり軽量でした
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